2023 Fiscal Year Research-status Report
Brain manipulation and working memory enhancement through sensory entrainment
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23K17171
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 朋也 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 講師 (70825851)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ワーキングメモリ / 視覚的注意 / 神経律動 / 感覚引き込み |
Outline of Annual Research Achievements |
ワーキングメモリは情報を保持し操作するために重要な認知機能で、シータ波やアルファ波といった低周波数帯域の神経律動と関連することが知られている。本研究では、感覚刺激による神経律動の引き込みがワーキングメモリ成績に及ぼす影響を解明することを目指す。これまでの研究で、視覚刺激を規則的に呈示すると脳活動がその周波数に引き込まれ、後続のワーキングメモリ課題成績が増大することが報告されている。今年度は、この現象の頑健性を確かめるために概念的追試の準備を行った。具体的には、一定の周波数で画面に呈示される3次元物体をディスプレイに表示し、実験参加者に観察してもらう。その後、聴覚記憶課題を実施し、呈示周波数によってワーキングメモリ成績が変調するかを調べるものである。これまでの予備実験では先行研究と同様の傾向は観察されていないが、事前登録を行い行動実験を遂行して現象の頑健性を確かめる。 並行して、触覚刺激によって脳活動が引き込まれ視知覚の成績に影響するかを調べる実験系を構築している。これまで研究代表者は、聴覚刺激を一定のリズムで呈示すると注意の瞬きが増大することを示してきた(Kawashima et al., 2022 European Journal of Neuroscience)。その他の感覚モダリティにこの知見が拡張されるかを調べるために、触覚刺激呈示システムを構築中である。 これらの研究を遂行することで、神経律動とワーキングメモリの関連性を検証し、感覚刺激による脳活動変調の可能性を探究する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
育児休業の取得および研究代表者の所属機関の異動に伴い、実験を遂行する環境構築に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は新規な実験を遂行する環境構築を行った。2024年度はこれらの実験を遂行する。具体的には、先行研究の追試と拡張を行い、ワーキングメモリが感覚引き込みによって影響を受ける過程を実験的に検討する。これらを通して、神経律動とワーキングメモリの関わりを解明する。
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Causes of Carryover |
異動のために実験環境の構築に時間を要し、実験を実施できなかった。次年度使用額は実験参加者謝金に使用する。
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