2023 Fiscal Year Research-status Report
解剖学的2重束前十字靭帯再建術における移植腱と固定部間距離の骨孔拡大への影響
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23K17252
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
関 健 東京医科大学, 医学部, 助教 (40617669)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 前十字靭帯損傷 / 骨孔拡大 / 前十字靭帯再建術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、移植腱の脛骨側を脛骨前方皮質上でStapleを用いて固定した群(S群)と、脛骨側を脛骨前面でdouble spike plateを用いて固定後に骨孔内へ吸収スクリューであるBiosureを追加挿入した群(D群)を比較することで、①大腿骨と脛骨の骨孔中心位置の移動方向と移動距離の評価、②大腿骨と脛骨の骨孔拡大率の評価を行い、骨孔拡大の移植腱と固定部間距離の影響を解明することをテーマとしている。 いずれの研究においても術後1ヶ月以内と術後約1年で単純CTを撮影し、MPRモデルをSYNAPSE SAI viewer (FUJIFILM社)を用いて構築、さらにSYNAPSE VINCENT(FUJIFILM社)にて3DCTモデルを再構築している。MPRモデルの構築は当院放射線技師に行っていただき、SYNAPSE VINCENTによる3DCTモデルの再構築は研究者にて行っている。 D群においては令和2年からの術式であり、研究計画を立てた時点で統計学的な比較研究を行うのに十分な症例数には達していなかった。術後約1年で単純CTの評価を行うため、令和4年以前に行われた症例に対して、令和5年は症例数の蓄積を行っていた。撮影後、当院CT室で再構築された3DCTのデータはCD-Rへエクスポートして研究室で保管している。令和2年までのS群の術式は86例が術後約1年でのCT撮影を行うことができ、対象として登録しており、令和2年以降のD群の術式は75例が術後約1年でのCT撮影を行うことができ、対象として登録している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は症例数の蓄積を行っていた。 令和6年度は、大腿骨と脛骨の骨孔中心位置の移動方向と移動距離の評価を予定している。 しかし、令和6年5月時点では本年度のはじめの作業である「大腿骨側は3Dモデルの大腿骨の顆間窩内側を切除した画像を作成作業」は開始していないため、研究進歩状況の区分はやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、大腿骨と脛骨の骨孔中心位置の移動方向と移動距離の評価を予定している。 大腿骨側は3Dモデルの大腿骨の顆間窩内側を切除した画像を作成し、顆間窩内壁の外側に垂直な面から骨孔の計測が行えるようにする。BernaldらのQuadrant法を用いてBlumensaat線に水平方向(H軸)と垂直方向(D軸)の座標軸を設定する。術後1ヶ月以内の前内側束(AMB)と後外側束(PLB)の骨孔中心をそれぞれ設定し、術後約1年でのAMB/PLBの骨孔中心は同様に(Ah2/Ad2), (Ph2/Ph2)と設定する。術後1年での骨孔位置の座標を術後1ヶ月の骨孔位置の座標で引き、骨孔の移動方向と移動量を定量化する。 脛骨側は3Dモデルで脛骨のみの画像を作成し、関節面に垂直な方向から骨孔計測が行えるようにする。関節面に対して前後径方向と内外側方向をそれぞれAP軸、ML軸と定め座標設定を行う。大腿骨側と同様にAMBとPLBの骨孔中心をそれぞれ(AAP1/AML1), (PAP1/PML1)と設定すし、術後約1年でのAMB/PLBの骨孔中心は同様に(AAP2/AML2), (PAP2/PML2)と設定する。術後1年での骨孔位置の座標を術後1ヶ月以内の骨孔位置の座標で引き、骨孔の移動方向と移動量を定量化する。 ・大腿骨骨孔中心の移動量式(Blumensaat水平方向/垂直方向)はAMB: (Ah2-Ah1/Ad2-Ad1), PLB: (Ph2-Ph1/Pd2-Pd1) ・脛骨骨孔中心の移動量式(AP方向、ML横行)はAMB: (AAP2-AAP1/AML2-AML1), PLB: (PAP2-PAP1/PML2-PML1) それぞれの骨孔移動量は上記式にて計算を行い、平均値±標準偏差で示し、2つの術式で統計学的な比較を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の令和5年度の内容は症例数の蓄積を行っていた。 そのため、データの解析は行っておらず、研究費の支出を伴う作業は行っていなかった。 令和6年度はデータ解析を行うので、使用するノートパソコン、データを保存するハードディスク、USB、統計学的ソフトの購入に助成金を使用する予定である。
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