2023 Fiscal Year Research-status Report
Fostering Co-creation of Qualitative Comparative Analysis (QCA) in Political Science: Time-orientation, Conditionality, and Good Practices
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23K17283
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 匠郎 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (60802486)
藤田 泰昌 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40584694)
網谷 龍介 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40251433)
粕谷 祐子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (50383972)
上谷 直克 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究グループ長代理 (80450542)
木寺 元 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (10433418)
岡田 勇 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (00650649)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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Keywords | 質的比較分析(QCA) / ファジィ集合 / 時系列データ / 交互作用分析 / マルチメソッド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は質的比較分析(Qualitative Comparative Analysis、以下QCA)の開発、比較検討、実践を共創的に展開し、政治学のさらなる発展に道筋を付ける試みである。QCAは複数条件の組み合わせを網羅的に扱い、その必要条件性や十分条件性をブール代数や集合論を基に把握する、従来の手法とは位相の異なる接近法として注目され、急速に普及してきた。本研究は(1)これまで方法論的に十分に検討されていないが、政治学が強い関心を払う歴史的・時間的な変動を分析可能とするTime-differencing QCAの方法を開発し、(2)先行研究のデータ分析を再現する中で、結果を規定する原因の「条件性」を他の手法と比較検討してQCAの独自性を明確にし、(3)比較政治、国際関係、行政学の各領域での実践から、複数のグッドプラクティスを包摂したQCAのガイドラインを作成、新たな知見を共に創り、政治学分野のさらなる発展を志すものである。 本年度は、(1)Time-differencing QCAに関する論稿の執筆、(2)条件性に関する他の手法である交互作用項の統計分析との比較、(3)QCAを用いた文献データベースの作成を進めた。(2)に関してはアントワープで開催されたQCA Expert Workshopにおいて報告し、また日本選挙学会における方法論分科会での報告準備を進めた。(3)が主眼とするQCAのグッドプラクティスに関しては、第3回QCA研究会を11月に開催することを通して、最先端のQCA分析の実例を多くの参加者と共有することを試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はQCAの開発、比較、実践の中で共創的にQCAを展開するにあたり、3つの研究班 (A), (B), (C)を組織し、それぞれ3つの課題(1), (2), (3)に4年間の計画で取り組む。 まず方法論的開発班(A)では時間性の理論化を進めてきた政治学での実証研究の要請へ応えるため、Temporal-change QCAを拡張してTime-differencing QCAの開発を進める。これについては既に論稿が完成しつつあり、時間性を含むQCAの分析のシミュレーションやパッケージ作成などはRをプラットフォームとして、開発を進めている。 次に方法論的比較班(B)では政治学で蓄積と進展のある研究手法(交互作用項を使った回帰分析)に注目し、QCAとのマルチメソッドの可能性を探る。こちらの研究は、アントワープで開催されたQCAに関する専門家会合で報告し、フィードバックを受けた。 最後にQCAのグッドプラクティス班(C)では隣接研究分野の手法を採り入れ方法論的多元性を担保してきた政治学でのQCAのガイドラインを検討するために、文献収集とコーディングを進めた。こちらに関しても、コーディングの項目の策定を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記3つの班を中心に研究課題を推進する。まず方法論的開発班(A)では時間性の理論化を進めてきた政治学での実証研究の要請へ応えるため、Temporal-change QCAを拡張してTime-differencing QCAの開発を進め、パッケージ作成や論文作成を進める。 次に方法論的比較班(B)では政治学で蓄積と進展のある研究手法(交互作用項を使った回帰分析)に注目し、QCAとのマルチメソッドの可能性を探る。こちらの研究は、アントワープで開催されたQCAに関する専門家会合での報告へのフィードバックを踏まえて、論文を執筆し、しかるべき学術誌に投稿する予定である。 最後にQCAのグッドプラクティス班(C)ではQCAのガイドラインを検討するために、文献収集とコーディングを進めた。こちらに関しても、コーディングの項目の策定を行っており、研究補助者と共にコーディングの精度を高めるよう工夫する所存である。
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Causes of Carryover |
初年度は、本研究課題の柱の一つであるQCAに関するグッドプラクティスを定式化するため、過去の文献をデータベース化する作業を行う予定であった。しかし、過去の文献をコーディングしデータベース化する前に、項目や基準を統一する必要があり、会議やメールを通して意見交換を行った。そのため、リサーチアシスタントへの人件費は限定的にしか発生せず、当初予定していた使用額に満たない額となった。次年度は、リサーチアシスタントが作業を本格化させるため、同様に人件費として支出する予定である。
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Research Products
(29 results)
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[Book] 国際関係論入門2023
Author(s)
草野大希, 小川裕子, 藤田泰昌
Total Pages
350
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623095773
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[Book] The 'easternization' of development : the politics of East Asia's developmentalist cooperation2023
Author(s)
伊東早苗, Lubke, Christian, Bader, Marieline, Kim, Taekyoon, Huang, Meibo, Shen, Zhaoli, 藤川清史, Moon, Kyungyon, 岡田勇, Wang, Zhao
Total Pages
227
Publisher
Practical Action Publishing
ISBN
9781788532280