2023 Fiscal Year Research-status Report
Ambient-temperature nitrate generation from air and water by surface-defective photocatalysts
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23K17346
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白石 康浩 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (70343259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 隆之 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (80208800)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 光触媒 / 硝酸 / 水 / 空気 / 表面欠陥 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面欠陥形成を基盤とする光触媒設計により、太陽光を利用して、常温・常圧下、空気と 水から硝酸(HNO3)を合成する新物質変換プロセスを開発する。三年間の研究により、(1)表面欠陥への活性酸素種(エンドパーオキシド種)生成を軸とした新HNO3合成ルート(伝導帯ルート)の確立、および(2)表面欠陥形成技術の開拓による可視光応答化と高活性化(可視光応答型高活性触媒)に挑戦する。活性酸素種を高効率に生成させる表面欠陥の形状の同定とその形成法の基礎固め、新たな欠陥形成技術の開拓にもとづく可視光応答化、ならびに表面欠陥近傍への酸化活性点の導入、などの機能集積を通して課題達成に取り組む。 2023年度は、(1)について検討した。、アナターゼTiO2をH2気流中で加熱処理することにより水と空気からのHNO3生成が劇的に加速されることを見出した。本触媒では、表面酸素欠陥が形成されること、欠陥がO2を橋掛けしたエンドパーオキシド種を安定的に生成することを明らかにした。さらに、この種がN2を一旦還元した後、O2によって自動酸化されてHNO3が生成することを種々の分光分析により明らかにした。これらの成果により、提案していた伝導帯ルートを裏付けることができた。DFT計算により提案メカニズムの確認も並行して進めており、隣接する複数のエンドパーオキシド種がN2を還元している可能性を掴んでいる。さらに、WO3などの半導体にPtなどの貴金属粒子を担持した場合にもHNO3生成が進むこと、TiO2上にグラファイトを担持した場合には大幅にHNO3生成が促進されることを見出し、新たな触媒開発が可能である結果も得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半導体酸化物上に形成させた表面欠陥を活性サイトとして本反応が進行すること、欠陥上でパーオキシド種が生成すること、その種がN2を一旦還元することがN2を効率よく酸化することにつながっていることを種々の分光分析により明らかにすることができている。研究開始当初から予測していた「伝導帯ルート」が実際に反応を進めていることを確かめることができている。さらに、計算化学の併用して研究を順調に進めることができており、それゆえ区分(2)に該当すると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、欠陥導入型TiO2に関する成果を投稿論文としてまとめることが目標となる。計算化学部分を速やかにまとめ、N2資源化のためのマイルストーンとした。また、上述のように、金属/半導体系も本反応に有効であることを見出している。これはおそらく金属/半導体界面でカギとなるパーオキシド種が形成されていると考えている。種々の分光分析によりそれを解明し、この内容についても速やかにまとめたい。さらに、本触媒の改良により、可視光応答化などを図り、光触媒型HNO3合成プロセスのアップグレードを図る。
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Causes of Carryover |
今年度購入予定であった真空拡散反射システム低温真空加熱チャンバー(STジャパン製、Heat Chamber STJ-0123-NT一式)は、製造委託先との契約が難航し、新たな委託先を探していると通達してきた。次年度には委託先が確定する予定とのことであり、そのため当該費用(約200万円)を繰越している。仮に委託先が決まらなかった場合にも、現有の赤外分光光度計ならびに低温真空加熱チャンバーは稼働しているため、赤外分光光度計の検出器の感度の回復により対応する。そのため、問題なく期間内に研究費を使用できる予定である。
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Research Products
(5 results)