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2023 Fiscal Year Research-status Report

発達期・成熟期の大脳皮質における新規なメタ可塑性メカニズムの同定

Research Project

Project/Area Number 23K17409
Research InstitutionNational Institute for Physiological Sciences

Principal Investigator

吉村 由美子  生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (10291907)

Project Period (FY) 2023-06-30 – 2027-03-31
Keywords大脳皮質視覚野 / 可塑性 / 興奮性ニューロン / 抑制性ニューロン
Outline of Annual Research Achievements

大脳皮質が正常に機能するには神経回路の興奮―抑制バランスが重要である。このバランスが大きく崩れると精神神経疾患の原因になる。一方で、正常な情報処理を行える範囲の中でのバランスの変化が、経験や学習に依存して機能を適正に調整する可塑性に重要であることが報告されている。従って、興奮―抑制バランスに対応して可塑性をオンあるいはオフにするメタ可塑性メカニズムが存在すると考えられる。
本年度は、発達期マウスの大脳皮質視覚野を対象に、まずメタ可塑性に関与しそうな抑制性ニューロンを新たに検索した。併せて、抑制性ニューロンサブタイプ特異的に神経活動を操作するDREADDの条件検討を行い、発達期大脳皮質において神経活動操作に適したTet-DREADDを確立した。興奮性DREADDあるいは抑制性DREADDを、アデノ随伴ウイルスベクターを用いて、生後発達初期のマウス大脳皮質視覚野に導入する条件を検討した。このマウスを2週間程度飼育した後、その視覚野からスライス標本を作成し、受容体を発現する抑制性ニューロンからパッチクランプ記録を行い、DREADD作動薬を灌流液中より加えると細胞の膜電位が変化することを確認した。また、覚醒マウスの大脳皮質一次視覚野を対象に2光子励起Ca2+イメージングを行い、DREADD作動薬の腹腔内投与により、受容体を発現した抑制性ニューロンサブタイプの神経活動が変化すること、その影響は24時間程度持続することを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

メタ可塑性に関与しうる抑制性ニューロンサブタイプ候補の検索が終了し、活動操作を行う実験系も確立できたことから、概ね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、発達期マウス視覚野の眼優位可塑性をモデルに、候補に挙げた抑制性ニューロンサブタイプの神経活動が可塑性の調節に関与するかについて検討する。片眼遮蔽による可塑性誘導中に抑制性ニューロンサブタイプの神経活動を操作すると、可塑的変化の程度が調整されるかについて、2光子励起Ca2+イメージングにより調べる。

Causes of Carryover

次年度以降に実施予定である、抑制性ニューロンサブタイプの同定に必要な試薬(抗体)を購入するために、研究費の一部を持ち越した。

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Published: 2024-12-25  

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