2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of Neural Mechanisms of Mental Control Effects by Breathing Techniques
Project/Area Number |
23K17422
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高雄 啓三 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (80420397)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2028-03-31
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Keywords | 呼吸 / マウス / 行動 / 自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は深呼吸が心に及ぼす影響をマウスを用いた動物実験により定性・定量化し、その生理メカニズムを明らかにすることである。これまでにマウス用の深呼吸訓練装置を開発し、環境刺激フィードバックによりマウスの呼吸頻度を一定レベルまで低下させることが可能となり、深呼吸様の呼吸を誘導することができるようになった。しかし、この深呼吸誘導の効果について行動学的、あるいは生理学的、分子生物学的に解析を行うにあたっては対照となるコントロール群のマウスが課題であった。なぜならマウスを訓練装置に入れる、フィードバック用に刺激を与える、これらのことは呼吸の変化とは別に行動、生理、遺伝子発現などに影響してしまうからである。コントロール群のマウスには一定レベルの刺激を与えるということも考えられるが、フィードバックの刺激は変化が激しく、適切とは考えられない。特定のマウスのフィードバックの記録を流すということも考えられるが、フィードバックの記録は個体毎に大きく異なるため、特定のパターンをコントロールに使ってしまうとデータに偏りが生じると考えられるため、これもまた適切とは考えられない。そこで実験群のマウスと対照群のコントロールマウスをペアにして実験群のフィードバック刺激をコントロールマウスに与えることでばらつきや偏りに対応することとした。本年度はその為の装置の開発を行った。すなわちマウス2個体を同時に訓練装置に入れ、一方のみフィードバックを行い、他方についてはフィードバックを行わず、もう一方でフィードバックに使われた刺激を同じように提示する装置について、試作品を作製した。今後はこの試作機の検証を行い、問題が生じなければこの装置を用いて深呼吸誘導の効果について行動、生理、遺伝子発現を解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではこれまでコントロールマウスをどのように設定するかが問題であったが、マウスをペアにして同じ刺激を与えることでそれを解決しようとしている。本年度はその為の装置を開発することができ、次年度以降の実験の見通しが立つこととなった。このため本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は実験群のマウスと対照群のコントロールマウスをペアにして実験群のフィードバック刺激をコントロールマウスに与えることでばらつきや偏りに対応する為の装置の開発を行い、試作品を得ている。今後はこの試作機の検証を行い、問題が生じなければこの装置を用いて深呼吸誘導の効果について行動、生理、遺伝子発現を解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初、生理学的および分子生物学的解析の補助のために人件費を計上していたが、採用しなかったため次年度使用額が生じた。初年度はマウス用の深呼吸訓練装置の開発を主に行ったため生理学的および分子生物学的解析の規模が小さく、補助員の雇用がなくても研究の進展には問題がなかった。 次年度は生理学的および分子生物学的解析のための消耗品として主に使用する。研究の進展によっては補佐員を雇用する人件費としても用いる。
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[Presentation] マーモセット卵子をマウス体内で作る ~卵巣異種移植の現状と課題~2024
Author(s)
三浦 詩織, 平山 瑠那, 竹鶴 裕亮, 中務胞, 夏目理恵, 齊藤奈英, 足立周子, 桑原沙耶香, 宮本純, 藤澤信義, 前田宜俊, 高雄啓三, 阿部学, 崎村建司, 笹岡俊邦
Organizer
第26回日本異種移植研究会
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[Presentation] マウスへの卵巣移植を利用した新規マーモセット卵子生産法,2024
Author(s)
平山瑠那, 竹鶴裕亮, 中務胞, 夏目里恵, 齊藤奈英, 足立周子, 桑原沙耶香, 宮本純, 三浦詩織, 藤澤信義, 前田宜俊, 高雄啓三, 阿部学, 笹岡俊邦, 﨑村建司
Organizer
先端モデル動物支援プラットフォーム 2023年度 成果発表会
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[Presentation] Activity- and septin-dependent extension of smooth endoplasmic reticulum into dendritic.2023
Author(s)
Natsumi Ageta-Ishihara, Yugo Fukazawa, Yuichiro Ishii, Keizo Takao, Kohtarou Konno, Kazuto Fujishima, Hiroyuki Hioki, Hiroyuki Okuno, Yoshikatsu Sato, Mineko Kengaku, Masahiko Watanabe, Tsuyoshi Miyakawa, Kaoru Inokuchi, Haruhiko Bito, Makoto Kinoshita
Organizer
第46回日本神経科学大会
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[Presentation] Loss of Akain1, an endogenous micropeptide that inhibits PKA localization, attenuates contextual discrimination and behavioral flexibility in mice2023
Author(s)
Kazuki Fujii, Yumie Koshidaka, Mayumi Adachi, Yuko Yanagibashi, Mina Matsuo, Shoko Hongo, Hirofumi Nishizono, Ichiro Takasaki, Nobuyuki Kurosawa, Yasunori Aizawa, Keizo Takao
Organizer
第46回日本神経科学大会
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[Presentation] ILF3 prion-like domain regulates gene expression and fear memory under chronic stress.2023
Author(s)
Akira Yamashita, Yuichi Shichino, Kazuki Fujii, Yumie Koshidaka, Mayumi Adachi, Eri Sasagawa, Mari Mito, Shinichi Nakagawa, Shintaro Iwasaki, Keizo Takao, Nobuyuki Shiina
Organizer
第46回日本分子生物学会年会
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[Presentation] Loss of Akain1, an endogenous micropeptide that inhibits PKA localization, attenuates contextual discrimination and behavioral flexibility in mice2023
Author(s)
K. FUJII, Y. KOSHIDAKA, M. ADACHI, Y. YANAGIBASHI, M. MATSUO, S. HONGO, H. NISHIZONO, I. TAKASAKI, N. KUROSAWA, Y. AIZAWA, K. TAKAO
Organizer
53rd Annual Meeting of Society for Neuroscience
Int'l Joint Research
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