2023 Fiscal Year Research-status Report
Measurement of L2 pronunciation deviation and L2 listening disfluency and its application to prosody training for smooth international communication
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23K17459
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峯松 信明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90273333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 大輔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40615150)
中西 のりこ 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (80512285)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2028-03-31
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Keywords | 発音差異 / 聴取崩れ / 韻律トレーニング / 国際的コミュニケーション / シャドーイング / オーバーラッピング / 外国語音声教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語は唯一の国際語であるが,母語が異なる場合に彼らの英語音声は,様々な点において異なる(世界諸英語)。本研究では発音の多様性(分節的多様性,韻律的多様性)に着眼し,a) ある学習者の英語音声は,多様な世界諸英語話者にどのように聞き取られ,また,b) その学習者は多様な世界諸英語話者の音声をどのように聞き取っているのか,について客観的に計測し,可視化する方法について検討した。a) に関しては,当該学習者に世界諸英語音声をシャドーさせ,シャドー音声の崩れの大きさを,当該学習者の聴取の非円滑さ(listening disfluency)として定量化した。b) に対しても同様に,当該学習者音声を世界諸英語話者群にシャドーさせ,当該学習者音声に対する多様な他者の聴取非円滑さを定量化した。a), b) の定量化において,提示した音声に対して,それを聴取した聴取者から,当該内容の読み上げ音声も取得できるため,提示音声話者とそれを聴取した聴取者間の発音差異についても定量化した。即ち話し手・聞き手間において,両者の発音差異の大きさと,聴取の崩れの大きさの両方を計測した。この両者を使うことで,自身と発音の異なる英語音声をどの程度聞き取れるのか(認知の頑健さがどのくらいあるのか)を検討できる。28名の英語非母語話者からデータを集め,a), b) 及び発音差異を用いて,「英語を用いたグローバルコミュニケーション」という観点からその円滑さの様子を可視化した(Communicability Chart, C-chart)。可視化パターンを精査することで,6つの型を定義することができた。これらの研究と並行して,より伝わりやすい英語発音となるよう,主として韻律に着眼した韻律オーバーラッピングに基づく発音矯正システムを構築し,東京大学工学部の授業に導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,発音差異と聴取崩れの計測とそこから得られる知見の積み重ねと,主として韻律に着眼した発音矯正トレーニングを融合させることに主眼があるが,両方において十分な成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
発音差異と聴取崩れの計測においては,音声を音素事後確率を用いた Phonetic Posteiorgram に変換し(PPG)検討しているが,この方法では韻律的側面が考慮されなくなる。自己教師あり学習型の音声表象を用いることで韻律も考慮された計測が可能になると思われるので,その利用を検討する。韻律トレーニングであるが,本年度の検討で,韻律のみに基づくトレーニングでは発音の癖(分節的な癖)が全く変わらない様子が観測されており,分節的な矯正も一部導入する。分節的な矯正を極端に行うと,それは外国語音声習得と言うよりも方言学習という側面が強くなるため,どこまで矯正の必要があるのか,については「十分他者に伝わる英語となればよい」という方針で進める。これらの検討を進め,本プロジェクトの3年目に,発音差異・聴取崩れの計測と音声トレーニングとの統合を図り,学習者自身の音声が他者にどのくらい通じるのか,通じないのか,後者の場合は必要な程度において,音声トレーニングを実施する方法を検討する。
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Causes of Carryover |
本年度,東大工学部の日本語教室に通う様々な母語を持つ留学生(世界諸英語話者)約30名を対象として,互いに互いの英語音声をシャドーする相互シャドーイングを実施した。XがYを聞き取り易いかった場合に,必ずしもYがXを聞き取り易い訳ではない。この聴取の方向性に関して興味深い検討ができ,一定の成果を得ることができた。しかし,発音差異をPhonetic PosteriorgramのDTWにより求めているため,韻律的な差異を発音差異に反映させることができなかった。このことに起因する分析の不具合が少なからず生じており,また,参加者の母語分布をより均一化して再度データ収集し,韻律を加味した発音差異の定量化を検討する必要性が生じた。以上のことより一部の研究費を次年度使用することとした。
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