2023 Fiscal Year Research-status Report
Philosohpical development of the behavioral inhibition network hypothesis of the mind
Project/Area Number |
23K17485
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森山 徹 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (20325898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 太一 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (20518659)
平岡 雅規 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (30380306)
野村 慎一郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50372446)
右田 正夫 滋賀大学, 教育学系, 教授 (70335157)
井手 勇介 日本大学, 文理学部, 准教授 (70553999)
園田 耕平 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (90638628)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 心のBIN仮説 / 新奇性 / 二要素相互抑制系モデル / 高速情報伝播群制御 / RNA分子集合体 / DNA分子振動回路 / 緑藻多細胞化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究組織を構成する3つのグループの当該年度における主な実績は以下のとおりである。 (1)哲学グループ:心のBIN仮説の認知科学、動物行動学、人工生命研究における意義について、学会発表と主催したシンポジウムで議論した。また、組織全体のオンライン定例会を月1回主催し、意見交換の場を設けた。
(2)モデルグループ:BINの数理モデル構築へのアプローチとして、誘引物質と忌避物質を同時に与えられ、未知の状況に置かれた真性粘菌の振舞いを記述することを意図した二要素の相互抑制系モデルを作成した。その結果、新奇的行動に相当する新しいタイプの雑音誘起双安定性を発見し、その数理的仕組みを明らかにした。また、別手法として、「高速情報伝搬を用いた群制御手法」による障害物回避のシミュレーションを行った。当該の群制御では、個体間相互作用を通して先頭個体の急激な反転行動が高速に後方個体につたわり群れ全体の急ターンが可能になる。この運動はBINの迅速で統一的な抑制制御を模倣する。この特徴をふまえ、障害物回避のシミュレーションを実施した。その結果、予想された、先頭個体の障害物回避に伴う急激な進行方向の変化が後方個体に高速伝搬し、群れ全体が回避方向を共有して集団回避できるという様子が観察された。一方、既存の群制御手法では、群れは障害物を個体レベルで回避しバラバラになる様子が観測された。この現象はBINが構造を維持できない状態を模倣する。
(3)実験グループ:分子BIN班では、RNAを用いた実験において、時空間の自己組織体を維持する分子の相互作用ネットワークを捉え,RNA分子による分子集合体およびDNA分子振動回路の構築試験が行われた。後者については、得られた振動をモデルグループが開発した新手法によって予備的に解析した。植物BIN班では、緑藻の多細胞化実験を通し、その発生・成長・生殖の過程を追跡することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各グループは以下のとおり成果を公表できたため。 (1)哲学グループ:学会発表(国内4,国際1)。シンポジウム主催(国内1)。シンポジウム発表(国内1)。
(2)モデルグループ:学術論文(査読付き国際誌1)。学会発表(国際2(うち受賞1,招待1)、国内2)。
(3)実験グループ:学術論文(査読付き国際誌4、共著書籍1)。学会発表(国際5(うち招待1)、国内2(うち招待1))。特許1。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)哲学グループ:国内、国際組織が主催する学会での発表に加え、関連知識を有する研究者等との議論を実施し、BIN仮説の妥当性をより深く議論する。
(2)モデルグループ:本年度、複数の動的に変化する要素がなす系における要素間関係の複雑性を順序パターン解析と位相的データ解析の手法を組み合わせて定量化する方法の改良を提案し、従来の方法では困難であった、レザバー計算のモデルであるエコーステートネットワークの入力信号への引き込み過程における複雑性の定量に成功した。この定量化手法を用いて、実験グループから提供されるデータを数理モデルのシミュレーション結果と比較し、モデルの妥当性を詳細に検証する。
(3)実験グループ:分子BIN班は,RNA分子集合体およびDNA分子振動回路の時空間構造に摂動を与えてその影響を評価し、抑制と新奇性の創発を共立させる分子BINの具現化に取り組む。植物BIN班は、人工的に多細胞化された緑藻から新奇な構造や機能を引き出す未知の状況の設定に取り組む。
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Causes of Carryover |
理由:一部の分担者において、学会発表のための旅費が発生しなかったため。 使用計画:当該分担者は順調に成果を得つつあり、次年度において、複数の学会発表を実施する予定である。
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Research Products
(30 results)
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[Journal Article] Polycyclic aromatic hydrocarbons in samples of Ryugu formed in the interstellar medium2023
Author(s)
Zeichner, S. S., Aponte, J. C., Bhattacharjee, S., Dong, G., Hofmann, A. E., Dworkin, J. P., ..., Nomura S.-I. M., …, Eiler, J. M.
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Journal Title
Science
Volume: 382
Pages: 1411~1416
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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