2023 Fiscal Year Research-status Report
社会的フレイルの発症・予後の機序解明とその対策方法の探求
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23K17565
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 実 筑波大学, 人間系, 教授 (30525572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 秀典 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 理事長 (60232021)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 社会的フレイル / 要介護 / 要因 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究概要】本研究は、「社会的フレイル」に焦点を当て、次の2つの課題を行うこととした。課題①は、『健常』から『社会的フレイル』そして『要介護』へ至るメカニズムの解明である。課題②は、ソーシャル・マーケティング戦略による地域全体の多面的介入による社会的フレイルの改善効果の検証である。 【2023年度実績:課題①(社会的フレイルに関連する指標は幾つかあり、ここでは社会的孤立に焦点を当てた結果を示す)】課題①の追跡調査を予定通り実施した。ベースライン調査、2年後のパネル調査、そしてパネル調査より4年間の追跡調査を完了した。2年後のパネル調査を実施できた方を分析対象とすると、約1割がベースライン調査の非社会的孤立状態から2年後の社会的孤立状態へと進展していた。なお、ベースラインからパネル調査まで一貫して社会的孤立状態であったケースが約1割、ベースラインでは社会的孤立だったのがパネル調査時点で非社会的孤立へと改善したケースが約1割であった。パネル調査から4年間の追跡を実施したところ、新たに社会的孤立状態になった方と、一貫して社会的孤立状態であった方がともに要介護状態になりやすいことが示唆された。また、新たに社会的孤立を招く要因としては、年齢や性別などの属性だけでなく運動習慣等の可変要因も抽出された。このことから、社会的孤立は有害健康転帰の発生に寄与するものの、予防・対策しうる可能性があることも示唆された。 【2023年度実績:課題②】 課題②の介入に向けての調査準備を行った。具体的には郵送調査および介入手段の準備であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、課題①のデータ収集、追跡調査が順調に実施できている。また、2024年度に予定している課題②の介入研究の準備も予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度と2025年度は、課題②の介入及びその分析を中心に実施する。前述のように、準備は予定通り行えているため、研究分担者ならびに研究協力者と適宜相談しながら進めていく。
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Causes of Carryover |
郵送調査にかかる費用を一部委託費として支出することに修正し、その部分については2024年度に実施することとしたため。
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