2023 Fiscal Year Research-status Report
アフターコロナ時代における労働・休暇・ケア・社会政策の相互連関に関する総合的研究
Project/Area Number |
23K17567
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
相馬 直子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (70452050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊集 守直 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30468235)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 社会政策 / 新しい働き方 / アフターコロナ時代 / 労働・休暇・ケア・生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ややもすれば経済的効果や生産性に焦点があてられがちな問題を、休業/休暇/ケア/生活との相互連関という視座から、アフターコロナ時代における豊かな生活とは何か、豊かな働き方とは何かを問い直すことを目的としている。
今年度は、カナダやアメリカとの比較から、日本のコロナ前後における生活や働き方への支援策について、中央政府と主要都市の取り組みをレビューした。その成果は、国際学会(Carework Network、2023年6月コスタリカ)と現在執筆中の英語論文にまとめている。
くわえて、豊かな生活と働き方の考察として、非営利セクターやコミュニティワークを取り上げ、自治体(東京都世田谷区)を事例に、「生活する・地域で活動する・働く」という要素が融合した活動の歴史をたどり、ケアが豊かな民主主義社会・地域社会という視座から整理した。その成果は『生活協同組合研究』に共著の論文として結実している。さらに、アフターコロナ時代におけるケアをめぐる意識や行動の変化について、2023年10月に量的調査を実施し、コロナ前後のケアの意識や働き方について論文にまとめ刊行の準備を行ったことも実績の一つとして挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画とおり、第1年目は、研究の枠組みや既存データのレビューを行いつつ、国際学会(Carework Network国際会議、2023年6月コスタリカ)で発表してインプットを得るなど、着実に実査の準備をすることができ、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年目も、研究計画とおりに実行していく。具体的には、三カ国で実査を行う年次と位置づけられる。共働きの当事者調査と企業調査の両面から、量的・質的調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
第二年目は三か国の実査が控えており、近年の円安により、調査謝金も日本円換算で高額となる見込みである。そのため、第一年目の研究費をできるだけおさえ、第二年目の実査に充てるように計画的に執行した。
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