2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of a specific DNA damage induced at the track end of a heavy ion beam
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23K17682
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
赤松 憲 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, チームリーダー (70360401)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 重粒子線 / 飛跡末端 / クラスターDNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超高密度励起・電離を引き起こす重粒子線が遺伝を司る生体高分子DNAに当たることによって、常温付近で気化するような超低分子DNA分解物(LDD)が発生するか否かを明らかにすることである。またその発生量が無視できない場合、残された高分子DNA側に生じた損傷の特異性及びその細胞生物学的意味を探求する。LDDが少なからず生じるためには、ほぼ同時に2か所以上の近接した化学結合が切断される必要があるが、それが起こりうる「場」としては、超高密度励起・電離が生じうる重粒子線の飛跡末端が考えられる。 R5年度は、照射実験用のサンプルホルダーの試作、及びLDDの生成が期待できるアルゴンビーム(重粒子線の一種)の照射実験を行う予定であったが、昨今の電気代高騰により重粒子線照射施設(高崎量子技術基盤研究所TIARA施設)の稼働時間削減が決定されマシンタイムの割当てがなくなったため、ホルダーの開発を中心に研究を進めた。ホルダー本体はシリコーン製のОリングを2枚(内、1枚には15mmΦの窓あり)のテフロン板(25x25mm)で挟んだ構造であり、Оリングの内側にDNA溶液(約0.4mL)を封入することが可能である。また、照射後の溶液・発生した気体は、ホルダー横からОリングにシリンジを刺すことで外気に触れることなく回収できる。窓剤には7μm厚のKaptonを予定しているが、飛跡末端付近のアルゴン粒子は通過できないので、1μm厚の窒化シリコン膜を準備した。これらの治具を用いてR6年度以降のマシンタイムで照射実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R5年度は、本研究に不可欠な重粒子線照射実験ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は1時間ではあるがTIARAマシンタイムの配分を受けることができた(後期)。R5年度に開発した照射実験用のホルダーを用いてDNA溶液に対してアルゴンビームの照射を行い、照射物をシリンジで回収し、様々な化学分析(一部、大阪産業技術研究所・精密分析センター等へ外注)及び生化学分析を行って生じたDNA損傷、低分子フラグメントの性質を明らかにする予定である。なお、マシンタイムについては追加配分を要請中である。
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Causes of Carryover |
重粒子線照射実験に不可欠なサイクロトロンのマシンタイムの配分がなく、それに伴う実験が行えなかったため、照射実験に必要な出張旅費(高崎市)及び照射物外注分析費等の相当額が未使用となった。次年度に実施する実験で使用する予定である。また、追加のマシンタイムの配分が得られた場合、その利用料(未定)にも充当する予定である。
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Research Products
(4 results)