2023 Fiscal Year Research-status Report
RNA分子の集合によるリボザイム活性発現モデルの構築
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23K17704
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 博久 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (90612391)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | RNA / リボザイム |
Outline of Annual Research Achievements |
生命の起源についてのRNAワールド仮説において、RNA合成やその他の化学反応を担うRNA酵素(リボザイム)がどのように出現したのかは未解決の問題である。本研究ではこれに対する一つの回答として、化学進化によって無生物的に生じた小さなRNA分子の自発的集合によって酵素活性が発現する、というモデルの構築および検証を行うことを目的としている。 今年度は、小さなRNA分子の自発的集合によって酵素活性が発現する、というモデルを構築するため、既知のリボザイムの2次構造や立体構造に基づく改変を行った。設計した改変リボザイムを実際に合成し評価したところ、期待する触媒活性を有することが確認できた。 また、反応機構や活性部位の立体構造から、この触媒活性は非天然型の塩基に対しても作用できることが予想されたため、当初は計画していなかった、修飾塩基を含む基質を用いた評価も行った。その結果、触媒活性が確認でき、近年新規なモダリティ―として注目されている人工mRNAの合成に利用できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、RNA分子の自発的集合によるリボザイム活性の発現に成功した。 加えて、作製した改変リボザイムによる、非天然型人工mRNA合成への応用が期待できる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、リボザイムの設計および活性の評価を進める。 また、初年度に得られた結果から示唆された、非天然型人工mRNA合成への改変リボザイムの応用についても検討する。
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Causes of Carryover |
当初購入を計画していた機器があったが、既設のものを利用できることになったため。 生じた次年度使用額は、さらなる改変型リボザイムの設計・合成と、本年度の結果から新たな展開が期待される改変リボザイムによる非天然型人工mRNA合成への応用実験のための物品(消耗品)として使用する。
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