2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of high-speed interruption technology for DC arc by polymer ablation and aerosol particle mixing using water-absorbing polymer ablation
Project/Area Number |
23K17744
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (90303263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 達夫 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (00324450)
中野 裕介 金沢大学, 電子情報通信学系, 助教 (60840668)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 遮断器 / 直流 / アーク / ポリマー / ゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
SDGsを実現する安全安心社会構築に向け,従来にない直流大電流遮断方式を開発すべく「種々のポリマゲル溶発エアロゾル粒子混合系による直流アークの高速遮断技術の開発」を新提案する。故障電流遮断時には遮断器内にアーク放電が発生し,それを通じ数十kAの大電流が流れ続けてしまう。遮断器はこのアークを消すことで故障大電流を遮断する。直流電流は交流電流と異なり自発的電流零点がないため,LC回路を導入し零点を人工的に作り出したり,アーク抵抗を磁気・アークシュートなどで急昇させ限流させる等の技術が用いられるが,アーク時間が長く機器に大きな負荷となる。本研究では,ポリマゲルからのナノ・マイクロサイズの粒子分散系エアロゾルを大電流アーク遮断に応用する,従来ない挑戦的なものである。申請者はナノ粒子・ヒューム・マイクロ粒子によるアーク減衰を着想し,加えて溶発蒸気だけでなくマイクロサイズ粒子が「自発的に」噴出する「スポレーション現象」を応用することを考案した。マイクロサイズ粒子はガスよりも熱プラズマの内部まで深く侵入しそこで溶発しアーク減衰することを見出した。本研究では,アーク減衰に効果があるH2Oを,高吸水性ポリマに含ませたゲル材を適用し,ここからのポリマ+水蒸気と噴出粒子の混合系(粒子分散系エアロゾル)をアーク減衰による直流遮断に応用することを新しく着想した。 本年度においては吸水ポリマとしてポリアクリル酸PAAを用いて,そこに水を吸水させる系を構築するとともに,電極間にアーク放電をたてそこに上記ポリマを接触させアークにポリマ+水蒸気が放出する系を作成し,現在も改良中である。さらに,これを数値計算するべく,ポリマーからのアブレーションを考慮したアブレーションアーク数値解析モデルの開発も開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにおおむね計画どおりに吸水ポリマとしてポリアクリル酸PAAを用いて,そこに水を吸水させる系を構築するとともに,電極間にアーク放電をたてそこに上記ポリマを接触させポリマ+水蒸気が放出する系を作成し,現在も改良中である。これを数値計算するべく,ポリマーアブレーションアークの数値解析モデルの開発も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
吸水ポリマのポリアクリル酸PAAに水を吸水させる系に対して,電極間アーク放電を接触させる系を改良し,安定して実験できるようにする。またポリマーアブレーションアークの数値解析モデルの開発も継続する。
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Causes of Carryover |
本年度においては吸水ポリマとしてポリアクリル酸PAAを用いて,そこに水を吸水させる系を構築するとともに,電極間にアーク放電をたてそこに上記ポリマを接触させアークにポリマ+水蒸気が放出する系を作成し,現在も改良中で概ね順調に進んでおり,数値計算するポリマーからのアブレーションを考慮したアブレーションアーク数値解析モデルの開発も開始している。一方で費用として物品費をおさえることができたため,次年度使用額が生じた。これを次年度の吸水ポリマ実験に有効活用していく。
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