2023 Fiscal Year Research-status Report
超高非線形、及び、任意光空間状態生成応用のためのトポロジカルファイバの研究
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23K17754
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤澤 剛 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70557660)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | トポロジカルファイバ / フォトニック結晶ファイバ / 非線形光学効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
R5年度は、研究実施計画記載項目のうち、以下の点について検討を行った。 1.空孔型フォトニック結晶ファイバのトポロジカルモードの物理解明:研究計画に則り、トポロジカルファイバの閉じ込めモードの物理を解明するべく、まずは面外伝搬のバンド構造計算を行った。ホストとなる高非線形ガラスに、正方格子状に周期的な四角の空孔を有する空孔型フォトニック結晶ファイバと、 空孔型との特性を対比するべく、ホストとなる通常ガラス中に、四角の高屈折率誘電体ピラーを有する構造の面外伝搬のバンド構造を詳細に調査した。その際、格子の中央に空孔(またはピラー)がある場合、及び、それを半周期ずらした、格子の4隅に4分の1の空孔(またはピラー)がある場合のバンド構造を調査した。量子情報通信において重要な波長帯となる800nm帯において、適切な格子間隔に設定することで、バンドギャップが開くことをつきとめた。また、空孔型においては前者において、ピラー型においては後者において、Γ点、X点において周期ブロッホ関数のパリティが反転していることを明らかにした。これはつまり、空孔型と、ピラー型で、トポロジカルモードを発現させるための格子の配置が異なることを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に記した3つの内容のうち、最初の一つについてはほぼ予定通りの結果を得た。よって、おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
トポロジカルファイバを構成する格子構造の面外伝搬バンド構造解析はほぼ終了した。その結果をもとに、特に空孔型フォトニック結晶ファイバについて、トポロジカルモードを有するファイバ断面構造を特定するのが次のステップとなる。R5年度の研究により、空孔型においてトポロジカルとなる格子構造が判明したので、トポロジカルな格子とトリビアルな格子を組み合わせて、格子間に存在するトポロジカルコーナーモードを特定するのがR6年度の目標となる。
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Causes of Carryover |
当初、ファイバ透過光測定のための受信装置の購入を検討していたが、多ポート測定のためのスイッチユニット、及び、トポロジカルファイバの、より正確なシミュレーションを実施可能な計算機サーバー、ソフトウェアの購入への変更を検討したためである。また、2023年11月に研究代表者の異動が決まり、前期計算機サーバーの納品が年度をまたぐ可能性がでたため、異動の際の事務手続きなどを避け、スムーズに研究活動を行うために異動後に物品を購入することにしたことも一つの理由である。
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