2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K17755
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡本 淳 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (40224068)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 位相共役 / 断層計測 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,光複素振幅の空間成分が複素共役の関係にある光位相共役とその前後で行う光学的情報処理を仮想化して実行する光計測技術を創出すること、また、深層学習を用いた超解像信号処理を融合することで、光走査系や音響素子が不要な新たな3次元光断層イメージング、特に,3次元的な定量位相イメージングの可能性を検討することを目的としている。 本年度は、位相共役波を仮想的に生成する直前のプロセスにおいて、物理的な計測系による干渉縞の取得精度が3次元断層像の再生精度に影響を与えている点に着目し、干渉縞の取得精度を向上することによる計測精度の改善・向上を試みた。具体的には、光複素振幅の物理的な計測結果に対して、畳み込みニューラルネットワーク(CNN: Convolutional Neural Network)を用いて超解像処理を行うことで計測結果の精度向上を行うことを提案した。CNNにより計測の際に失われた情報を予測・回復することで、実際のカメラの持つ精度以上の高精度な測定を可能にする。テストデータを用いた検証の結果、CNNを用いることによって画像SN比において、6dB以上の大幅な改善が得られることを示した。 これに加えて、位相共役波を仮想的に生成して復調された物体像に対して、再度仮想的な計測を行うことにより、最初の計測よりも、高精度な断層計測を実現できることを数値シミュレーションによりはじめて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CNNを用いることによって、画像SN比において、6dB以上の大幅な改善が得られることを示したため。
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Strategy for Future Research Activity |
CNNの最適化によって計測性能の更なる改善を目指す。空間光変調器を用いた複素振幅生成法の改善策について検討する。本手法を超解像計測に発展させるための基礎的検討を進める。
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Causes of Carryover |
消耗品などの補充が生じなかったため次年度使用額が発生した。光学素子などの消耗品購入にあてる予定。
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