2023 Fiscal Year Research-status Report
Realization of plant-symbiotic robot skin composed of biodegradable materials
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23K17770
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
松本 光春 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70434305)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | ロボット / ロボットスキン / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では非電気駆動ロボット開発に不可欠であるロボット外装に着目し、作業困難領域での長期的作業と出口戦略の実現に向けた外装の材料設計に焦点を当て,生分解性材料により構成された植物内包型ロボットスキンの実現をその目標として定め、(1)生分解性材料で構成されたスキン内部に生きた植物を内包し,(2)植物の持つ自己治癒能力により破壊された外膜を自律的に修復する植物内包型ロボットスキンの実現可能性を明らかにする.ことを目的としている。 初年度である2023年度は特にスキンに利用可能な植物の選定の為の複数の実験を行った。実験ではアブラナ科のカイワレダイコン、同じくアブラナ科のブロッコリースプラウト、そしてマメ科の豆苗を選択し、それぞれの成長速度や圧縮応力を測定した。 育成にあたっては培地として約9cm×9cm×5cmのスポンジを用い、スポンジがしっかりと収まる容器に9cm×9cmの面を上に向けて入れた。どの植物についても、3週間程度で十分な生育が確認された。圧縮応力については、植物が生えている面を上に向けた縦置きの状態、横置きの状態、植物の茎をスポンジ表面で切り取り、根のみとした状態、植物が生えている状態でスポンジ表面まで植物のみの圧縮を行う状態の4通りについて実験を行った。例えば縦置きの場合の平均最大点圧縮応力は、対照群が13.13N、カイワレダイコンが15.14N、ブロッコリースプラウトが14.16N、豆苗が55.68Nとなり、試した中では豆苗が圧縮応力の面で優れていることを確認した。これらの成果は国際会議にて投稿し、論文として採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物によるロボットスキンの実現可能性について利用可能な植物の選定を行った。また、選定にあたり、実際に植物を生育し、それぞれの成長速度や圧縮応力を確認した。その結果、植物による圧縮応力の向上とロボットスキンとしての利用可能性を確認した。 これらの実験の結果、植物によるロボットの実現可能性について一定の確認ができたほか、その成果についても国際会議にて公表できており、初年度の進展としておおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は植物の成長速度や圧縮応力について測定し候補の選定ができたが、より利用可能性の高い植物について引き続き調査を進めていく。また、植物による強度の増強についてはその可能性を確認できたことから、植物による自己修復や形状変形の可能性などについて検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
旅費等についてはおおよそ予定通りの支出であったが、物性測定器や実験用材料などについて過去の資材による運用が可能であったため、全額の使用には至らなかった。繰越金を含め、次年度予算については必要に応じて実験設備の購入や実験の材料費として利用する予定である。また,関連する研究成果発表のための学会参加費や論文掲載費への支出も予定している。
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