2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of termite control method for wood by using inorganic salts based on traditional techniques in Okinawa
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23K17791
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
石山 央樹 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90634436)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 木材 / 木構造 / 耐久性 / シロアリ / 耐蟻性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では炭酸カルシウム等無機塩類を木材に固定化することによって耐蟻性を高める技 術の実用化を狙う。研究代表者らはこれまでに沖縄に伝わる慣習である潮干(スーカン)について研究を進めてきた。潮干は木材を建築用材に供する前に砂浜に埋めておくあるいは湖沼に沈めておくことによって耐蟻性が高まるという経験的技術である。これまでの実験的検証により、炭酸カルシウムの木材組織への固定化によってシロアリ食害を物理的に阻害している可能性が高いことが示された。本研究ではこれの応用を狙うものである。 初年度はまず、屋外選択食害実験を行い、さまざまな海水成分ごとの防蟻効果の検証を行った。成分は大阪で採取した海水、和歌山で採取した海水、沖縄で採取した海水、炭酸カルシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液とした。炭酸カルシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液の食害率はコントロール(無処理、精製水処理)よりも低かった。また、海水の採取地ごとの差はほとんど見られなかった。 また、上記のような塩類の防蟻効果を検証するために従来のイエシロアリの強制食害試験方法(JIS K1571)を適用すると、試験体の含水率が高くなってしまい、食害率に影響する可能性があるため、含水率が過度に上昇しない試験方法の開発を試みた。試行錯誤の結果、アクリルパイプ底部の石こうの上に珪砂と赤玉土を敷き、これにシロアリができる開口を設けたアルミホイルをかぶせ、その上に載せたプラスチック網上に試験体を設置する方法を開発した。この試験法によれば試験体含水率は極度に上昇しないことが確認できた。しかしながら、無処理試験体の食害率が低かった。今後は、無処理試験体の食害率がより高くなるような方法を検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定では日本国内の湖沼や温泉、鉱泉の中で、カルシウム濃度が高いものを採取し、木材小試験片(20×20×10mm)に含浸させて耐蟻性を検証する予定であった。しかしながら、JISの検証法の改善が必要であったこと、また、カルシウムに限らない無機塩類を広く検証することが優先であると考え、まずは試験法の開発と無機塩類の防蟻効果の検証を行った。その結果、試験法においては有効な方法の目途を確認することができた。また、無機塩類の効果については定性的な確認をすることができた。さらに、含水率と食害率の関係について傾向を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
試験体の含水率をあまり向上させず、無処理試験体の食害率を高い水準で確保する方法を継続して検討する。これまでの延長としてJISの改良方法を検討するほか、H型ガラス容器を用いて水分採取区域と試験体設置区域を区分することで上記目的の達成を狙う。 また、試験体含水率と食害率との関係について、より詳細な検討を行う。これまでの検討は含浸成分の影響もある状態での含水率と食害率の検討であったが、まず含浸成分のない状態で試験体含水率と食害率の関係を明らかにすることを狙う。 さらに、木材への無機塩類の効果的な注入、定着方法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初は国内各地のカルシウム成分を含む湖沼および温泉水の採取を予定していたが、初年度は基本的事項の確認として試験方法の開発や防蟻性の確認を行ったため、国内旅費が当初予定よりも少なくなった。また、上記理由により、国際学会での発表を2年目以降に見送ったため、海外旅費を使用しなかった。さらに、出張地で使用する携帯用PCは従来のもので代用可能であった。2年目は遠隔地での試験やサンプル採取のための旅費として使用する。また、携帯用PCを購入予定である。
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