2023 Fiscal Year Research-status Report
衝撃自壊材料による落下しても安全な小型無人機設計への挑戦
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23K17797
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
山田 浩之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80582907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 永久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (60262408)
立山 耕平 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70837096)
樋口 理宏 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (50455185)
原田 正範 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (70546142)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 衝撃自壊材料 / 衝撃軟化材料 / メチルセルロースゲル / ドローン |
Outline of Annual Research Achievements |
小型無人機は空の産業革命と呼ばれるほど国内外で期待される技術であり,その発展と普及は目覚ましい。しかし,小型無人機の増加に伴い人身事故は顕在化しており,人に対する衝突安全性が求められている。そこで本研究では,衝突しても人に対して安全な小型無人機の開発を目指す。そこで,これまでにない「衝撃自壊材料」を提案する。衝撃自壊材料は,普段は構造材料として強度を保ちつつ,衝撃負荷を受けた際に自ら崩壊する二律背反の材料である。衝撃負荷時のみ発泡構造化が発現する衝撃エネルギー吸収の利用と,衝撃負荷時のみ内部応力集中が発現する衝撃エネルギー分散の利用の2つのアプローチを通じて,衝撃自壊材料を開発を目指す。 1年目として,下記の成果を得た。 (1)衝撃エネルギー吸収の利用の一案として,衝撃軟化材料に注目した。そこで,メチルセルロースゲルの圧縮特性の評価を行った。メチルセルロースゲルは,水に溶解させると,常温では流動性のあるゾル状態であるが,加熱によりゲル化する特徴を有している。実験の結果,溶媒をサラダ油としたメチルセルロースゲルにおいて,圧縮速度の増加にともない圧縮荷重が低下し,チキソトロピーが確認された。よって,衝撃軟化材料として使用できる可能性が示唆された。 (2)国内外のドローンを調査し,研究予算ないで実行できる可能性のある製品を選定中である。 (3)ドローンの構成材料であるCFRPの衝撃強度に関する調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の大目標である衝撃自壊材料の開発として,メチルセルロースゲルのような候補材料の特性を調査できた。まだ強度の問題があるが,基礎研究としては,おおむね順調なスタートと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は,主に以下の研究推進方策で進める。 (1)衝撃軟化材料であるメチルセルロースゲル以外の材料を模索する。また,メチルセルロースゲルを混入した発泡高分子材料を作製し,衝撃付加による「衝撃自壊材料」の検討を行う。 (2)ドローンの選定を完了し,ドローン墜落に関する力学情報の取得を行う。モーションキャプチャを活用し,ドローンの落下挙動と力学情報を取得する。ネットと保護部材内でドローンを意図的に墜落させて,機体の速度や角度などの状態計測を行う。これにより落下衝突時の速度や角度の情報を抽出する。
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Causes of Carryover |
ドローンの選定に時間がかかり,今年度使用しなかった。次年度の購入予算に使用する。
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