2023 Fiscal Year Research-status Report
Creation of new LPSO phase with higher-entropy for the development of ultra-high-performance lightweight structural materials
Project/Area Number |
23K17832
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 幸司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10346182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 透子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30767299)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | Mg合金 / LPSO相 / 多元系 / 組織制御 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は計画した高エントロピー化LPSO相の創製を実現すべく,Mg-Zn-Y基LPSO単相合金であるMg85Zn6Y9の組成を基に, (Mg, A)85(Zn, B)6(Y, C)9 (A: Sc, Li, B: Al, Ni, Cu, Co, Fe, Ti, C: Sm, Yb, Dy, Gd, Er)の組成を有する多種の合金溶製を,電気炉を用い行った.得られた合金の組織観察をOM,SEMにより行うとともに,構成相の同定をSEM-EDS, XRD,EPMA, オージェ分光,といった各種手法を駆使することにより行った. この結果,複数の合金系にて多元系高エントロピー化LPSO相の創製可能性が示された.ただし現状の解析において,Mgサイトを置換するSc, Liの固溶量はそれほど多くなく,この点に関する更なる検討が必要である.また固溶する元素種,固溶量の予測についても,実験結果の蓄積により,ある程度の仮説が立ちつつある.高エントロピー化が期待されたLPSO相については,一方向性凝固による方位制御単相合金の作製にまで至り,現在,高エントロピー化が力学特性に与える寄与,その温度依存性等を明らかにすべく,圧縮試験等による評価を進めている.また同時に,作製した多元系LPSO相の原子レベル構造解析をHAADF-STEM観察等により進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に一年目の研究により,複数の合金系にて高エントロピー化LPSO相の作製可能性が見出されており,予想以上に研究は進捗している.探索合金系をさらに拡張するとともに,力学特性評価,原子分解能での構造解析を進めることで,多元系化が与える寄与について解明を進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように,本年度は探索合金系をさらに拡張するとともに,力学特性評価,原子分解能での構造解析を進めることで,多元系化が与える寄与について解明を進めていく.特にMgサイトを置換できる元素が存在するか否か,についてさらに検討を進める.さらに,本年度検討では,Mg系のみならず,Ti系の高エントロピーLPSO相合金についても探索の幅を広げる.Ti系多元系合金においては,予備検討において既に長周期積層構造相の存在可能性を見出している.しかしその原子レベル構造解析には未だ至っておらず,シンクロ型構造を有しているのか,多元素の置換位置はそれぞれどこなのか,といった点は全く不明である.両者を比較することで,新たな合金開発の可能性についての指針を明らかにすべく,検討を進めていく.
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