2023 Fiscal Year Research-status Report
Simultaneous overcoming thermodynamic and kinetic constraints of catalytic reactions by microwave pulse irradiation
Project/Area Number |
23K17840
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸本 史直 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (00835738)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | マイクロ波加熱 / 触媒反応 / アンモニア合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロ波をパルス照射することにより、例えばアンモニア合成反応の触媒反応速度の向上と平衡制約の打破に挑戦することを目的としている。ここで重要となるのは、マイクロ波照射下において触媒充填層内部の温度を正確に見積もることである。特に、一般的に用いられる放射温度計では、触媒層表面温度しか測定することができず、マイクロ波加熱に特徴的な微視的なホットスポットを計測することができない。 今年度は、一定出力のマイクロ波照射下における、触媒充填層のホットスポット温度およびその割合を正確に評価するための手法を開拓することに注力した。具体的に、Ru/CeO2触媒をモデルとし、精密な触媒反応測定の結果から平衡転化率を温度の指標、ゼロ転化率での反応速度をホットスポット割合の指標として求めた。結果として、内径4 mmの触媒管内部には、表面温度よりも100度以上高いホットスポットが全体の体積の10 %程度存在することを見出した。 次年度は、これらの情報に基づいてマイクロ波パルス照射の影響について調査する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マイクロ波パルス照射による触媒反応促進の研究を行うにあたり、基礎的な理解としてホットスポット評価法を構築する方法があることが明らかとなった。これに基づき、熱力学平衡および速度論解析に基づく方法を発想し、実証・論文発表を行った。これらは当初の研究計画にはなかった視点であり、当初の計画を超えた基礎理解ができていると自己評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
マイクロ波によって誘起されるホットスポットの評価方法が構築できたので、マイクロ波パルスによって引き起こされる反応促進を真に評価できると考えられる。915MHzマイクロ波を時短パルスで評価し、反応を評価する。
|
Research Products
(1 results)