2023 Fiscal Year Research-status Report
Dispersion control of highly luminescent oxide nanoparticles for the evaluation of mass transport in animal cells
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23K17844
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高見 誠一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40311550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 志乃 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 上席研究員 (00272203)
沼子 千弥 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80284280)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 金属酸化物ナノ粒子 / 蛍光 / 水熱合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、対象とする酸化物をLu3Al5O12およびBaHfO3として、酸化物ナノ粒子の分散を支配する要因の1つであるサイズの制御と、X線照射下における蛍光発光を評価した。サイズ制御については、Lu3Al5O12では既に反応溶液のpH制御で30~50 nm程度の粒子合成を可能としているため、蛍光ナノ粒子のマトリックスとして期待できるBaHfO3の水熱合成法の開発およびサイズ制御について検討を行った。BaHfO3の原料としてBa(NO3)3とHf(OH)4を用い、硝酸バリウムの水溶液のpHを制御してBa(OH)2を生成してからHf(OH)4と共に400℃での水熱処理を行うと、BaHfO3とHfO2の混合物が生成した。BaHfO3の単相が得られない理由が、Ba(OH)2の生成過程でBaイオンがある程度水中に溶出してHfよりも濃度が薄くなるためと考え、Ba(OH)2粉末を原料として用いた所、BaHfO3単相の形成に成功した。このようにして水熱合成したBaHfO3の粒子径は300 nm程度であったが、これより小さなサイズを実現するために、反応溶媒として用いた水にエタノールを添加した混合溶媒を用いることで、50 nm程度のナノ粒子を合成することに成功した。続いて、蛍光を実現するためBaHfO3に希土類元素を添加し、X線照射下における蛍光を評価した。その結果、未添加のBaHfO3ナノ粒子では欠陥に由来する300~400 nm, 550 nm付近の発光を示す一方、Euを添加したナノ粒子では600 nm付近に5D0-7F2の遷移に由来する発光を確認した。さらに、異なる物質の利用も試み、CoGa2O4やMgGa2O4などスピネル酸化物の利用が可能か、合成とともに評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で用いる酸化物ナノ粒子としてBaHfO3およびLu3Al5O12ナノ粒子を合成し、そこに希土類をドープすることで蛍光を発することを確認するとともに、サイズを数十nmとすることを実現できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、合成したナノ粒子の水中分散を実現する表面修飾を行うほか、ナノ粒子の分散液中で細胞培養を行い、取り込みを評価する。
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Causes of Carryover |
ナノ粒子の表面修飾に用いる実験を2023年度に行わず、2024年度に行うこととしたため、試薬・装置などを購入しなかったことで次年度使用額が生じた。この額は、試薬・装置などの購入の用いる。
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Research Products
(3 results)