2023 Fiscal Year Research-status Report
共ドープによる固溶元素の安定化効果に基づく熱力学的に安定なバルクp型ZnOの創製
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23K17958
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大瀧 倫卓 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (50223847)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 酸化亜鉛 / バルクp型ZnO / Liドープ / 共ドープ |
Outline of Annual Research Achievements |
ZnOとLi2CO3とCuOを出発原料とし、O2雰囲気下1100 ℃で24 h常圧焼結し、試料を得た。XRDの結果から、全ての試料の主相はZnO相であった。Li4%試料では不純物相は見られなかった。一方、Cuを共ドープしたLi4%Cu4%試料、Li6%Cu4%試料では、原料のCuOが残っていた。Li, Cu共ドープ試料の導電率σは10^-5から10^-2 S/cmと低く、半導体的挙動を示した。一方、ゼーベック係数Sは全温度域で大きな正の値を示し、800 ℃までの温度サイクル後もp型伝導は保たれていた。常圧焼結したLi4%試料にCuを4%共ドープすることでσは増大し、Sは減少した。そのため、ホールキャリア濃度はLi4%Cu4%試料の方が高いと思われ、Cuを共ドープすることでZnOへのLiの固溶限が拡大したことが示唆される。σはLi4%Cu4%試料よりLi6% Cu4%試料の方が高温域で約2倍高くなった。これはLi量を増やすことでホールキャリア濃度がさらに増大したためと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は課題の初年度であったが、入居している研究棟の大規模改修工事が行われたため、年度当初に研究室を完全に他の建物に移転した。仮移転であり、使えるスペースは元の半分程度しかないため、利用できない装置などが多数発生した。このため、実験の実施にかなりの遅延が発生した。また、予定していたプローバの購入を1年遅らせることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策には、現時点で当初計画から大きな変更点はない。
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