2023 Fiscal Year Research-status Report
効率的な物質輸送を可能にする人工ナノポアチューブの構築
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23K17968
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
神谷 厚輝 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (70612315)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ナノポアタンパク質 / 膜タンパク質 / リポソーム / パッチクランプ測定 / 物質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノポアタンパク質をリポソームに再構成させることで、リポソームの内外に物質を輸送させることが出来る。本研究では、グラム陰性菌の外膜に存在するouter membrane proteinの一種のOmpGをリポソームへ再構成させる方法を検討した。OmpGは、イオンのほか糖も透過できる。リポソーム作製後にOmpGを加えても、OmpGの再構成量は少なかった。そこで、OmpGとリン脂質フィルムをエタノールで溶解し、OmpGとリン脂質を含むフィルムを作製した。そして、静置水和法でリポソームを作製した。その結果、リポソーム膜に多くのOmpGの再構成に成功した。また、リポソーム内への物質輸送にも成功している。 また、Ompにリンカーを付けることで、イオン透過がどのように変化するかを人工細胞膜のパッチクランプ法にて検討した。リンカーの存在でイオンの透過が阻害することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際学会、国内学会に積極的に発表をおこなっている。また、OmpGのリポソームの再構成に関する論文が、ACS Omegaに掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
リポソーム膜上にOmpGの再構成に成功している。次に、OmpGを繋ぎ止め、タンパク質によるナノチューブの形成を行う。効率的なナノチューブ形成条件の探索をおこなう。そして、リポソーム間をこのナノチューブで連結させ、物質輸送を実現させる。また、リンカーの長さを変えることで、イオン透過の閉塞が変化するかを検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は、効率的なOmpGのリポソームへの再構成を検討した。次年度は、タンパク質ナノチューブを形成させるために、部分的に変異を加える必要があるため、遺伝子組換えのための経費に充てる。また、リンカーの長さを変えてOmpの閉塞具合を検討するために、リンカーの長さが異なる変異体を形成する経費に充てる。
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Research Products
(10 results)