2023 Fiscal Year Research-status Report
植物における葉緑体ストレスに応じた新規の糖・脂質変換機構の解析
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23K17986
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
島田 貴士 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (10713828)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 油滴 / シロイヌナズナ / 植物脂質 / デンプン |
Outline of Annual Research Achievements |
植物はエネルギー源不足に備え、光合成により得られた炭素源を、デンプン(糖質)またはトリアシルグリセロール(脂質)の形で貯蔵する。これまでに提唱されてきた「葉はデンプンを貯蔵する」という一般的知見に対して、本研究では糖・脂質変換機構による貯蔵形態の変化が起こるという新規モデルを提唱する。特に、糖・脂質変換機構の新規抑制制御因子と考えられるLIRI1タンパク質に着目した研究を行う。具体的には、「①糖・脂質変換機構はどのようなストレスで誘導されるか?」「②糖・脂質変換機構はLIRI1タンパク質によりどのように制御されるか?」「③糖・脂質変換機構はストレス耐性に必要なのか?」を明らかにする。 1年目では、DCMU処理や過酸化水素処理の条件を検討し、それぞれの処理により葉に油滴が蓄積することを見出した。このことから、光合成阻害による活性酸素種の蓄積により、油滴が葉に誘導されることが示唆された。 LIRI1タンパク質とCAC3、SS4との結合を明らかにするために、LIRI1-FLAGとCAC3-GFPまたはSS4-GFPをベンサミアナタバコで共発現した。GFP抗体で免疫沈降すると、LIRI1-FLAGが共沈したことから、CAC3とSS4は、LIRI1に結合することが明らかになった。 LIRI1-GFP発現シロイヌナズナにDCMU処理や過酸化水素処理を行い、LIRI1-GFPの発現パターンを解析したが、発現に変化は見られなかった。 liri1変異体とpdat1変異体を用いて、塩ストレス、DCMU処理や過酸化水素処理を行った際のストレス耐性の変化を調査した。現在のところ、表現型に明確な差は見られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画していた実験について、おおむね執り行うことができている。liri1変異体とpdat1変異体を用いた表現型解析については、2年目に引き続き行う。また、2年目に計画している実験を行う準備、体制も1年目に整えることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目では、1年目の実験結果を受けて、糖・脂質変換機構の実態を明らかにすることを目指す。 DCMU処理や過酸化水素処理により、デンプン蓄積が減少することを示す。さらに、これらの処理条件でのトランスクリプトミクスを行う。また、これらの処理をした際のLIRI1-GFPの発現パターンについて、葉緑体内での局在パターンの変化も含めて、詳細に観察を行う。liri1変異体とpdat1変異体を用いて、塩ストレス、DCMU処理や過酸化水素処理を行った際のストレス耐性の変化を引き続き詳細に観察する。
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Research Products
(3 results)