2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of structural factors to improve Rubisco
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23K18033
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松村 浩由 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 隆平 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (60612174)
深山 浩 神戸大学, 農学研究科, 教授 (60373255)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | Rubisco / 構造 / 機能 / 計算科学的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CO2固定酵素Rubiscoを改良する構造的要因を決定するために、(1) Hybrid Rubiscoの精密構造解析、ならびに(2) Rubiscoの計算科学・生化学的解析を実施した。 (1)については、高い精度で計算科学的解析を実施するためには、Hybrid Rubiscoの精密構造の数を増やす必要がある。そこで、イネの非光合成組織で発現するスモールサブユニットとイネラージサブユニットが会合した新規のHybrid RubiscoのX線結晶構造解析を実施した。その結果、1.9A分解能での構造解析することに成功した。この解析によって、Rubiscoの運動性上昇の要因についていくつか仮説を立てるに至っていて、今後計算科学的な解析を実施する予定である。また、藍藻Rubisco(SyRubisco)と好熱性藍藻Rubisco(ThRubisco)のHybrid Rubiscoの構造研究においても進展がみられた。ThRubiscoのラージサブユニットとSyRubiscoのスモールサブユニットが会合したHybrid Rubiscoにおいても2.28A分解能での構造解析にも成功した。このHybrid Rubiscoにおいても、スモールサブユニットが異なることによってkcatが変化する理由についていくつか仮説を立てている。(2)については、筑波大学のスーパーコンピュータCygnusを用いてRubiscoの計算科学的解析を実施し、全原子モデルを用いた高精度なMD計算により、数100ナノ秒のダイナミクス抽出に成功した。生化学解析についても、上述のイネの非光合成組織で発現するスモールサブユニットとイネラージサブユニットが会合した新規のHybrid Rubiscoの活性測定によって、kcatが上昇していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)についてはHybrid Rubiscoの2例の構造解析にも成功しており順調に進展している。(2)においても全原子モデルを用いた高精度なMD計算により、数100ナノ秒のダイナミクス抽出に成功して、さらに生化学解析も実施できており、順調に実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続いて、(1) Hybrid Rubiscoの精密構造解析、ならびに(2) Rubiscoの計算科学・生化学的解析を実施しすることで、Rubiscoを改良する構造的要因を決定する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度の計算機の利用にあたり、分担者が所属する筑波大学計算科学研究センターの学際共同利用に採択され、無償でスーパーコンピューター(Cygnus及びPegasus)を利用できたことから、当初予定していた計算量の有償利用料金の執行を見送った。 また、翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画として、前年度までに完了した予備計算に基づき、更なる研究効率を構造させるため、計算結果を解析するためのローカルクラスタの購入とスーパーコンピューターの大規模利用に向けた有償利用料金、加えて成果発表のための旅費に充てる。
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Research Products
(17 results)