2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of non-transgenic gene rescue technology to reproduce next generation of genetically sterile fish
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23K18057
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
吉川 廣幸 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (40733936)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | クサフグ / 不妊 / mRNA / 遺伝子レスキュー / 生殖細胞欠損 |
Outline of Annual Research Achievements |
養殖産業における遺伝資源管理において遺伝的改良を施した養殖魚を完全に不妊化し、予期せぬ天然資源への遺伝子汚染や生産者の意図に反する繁殖を防止する策を講じることは重要である。ゲノム上に刻まれた生殖細胞の生存に必須な遺伝子を破壊することは、もっとも確実性のある遺伝的不妊化戦略に繋がるものの、対象遺伝子が完全に破壊されたホモ変異個体は不妊になるため、これらの交配によりホモ変異個体を継代して産業利用していくことができない難点がある。本研究では、生殖細胞必須遺伝子が完全に破壊された不妊魚から遺伝子導入に頼らず次世代の生産を可能にする妊性回復技術の確立を目指す。本目的を達成するため、本年度は以下の研究に取り組んだ。
①遺伝的不妊魚の生産と生殖特性の解析:クサフグの生殖細胞に必須なdead end (dnd)遺伝子をゲノム編集技術により破壊した遺伝子破壊家系のヘテロ変異個体同士を交配させることにより、対象遺伝子がホモ変異した遺伝的不妊魚の大量生産体制を整えた。経時的な組織観察により、ホモ変異個体の生殖腺では、ふ化1か月以降、生殖細胞が消失していることが判明した。
②遺伝子の配列単離:遺伝子レスキューに用いる人工mRNAを合成するため、生殖細胞の生存に必須とされるdndの非翻訳領域を含む塩基配列を解読した。得られた塩基配列情報をもとに、遺伝子レスキューの検討に用いる化学修飾処理を施した人工mRNAを合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で対象となるdnd遺伝子について遺伝子配列を取得して遺伝子レスキューを行う際に使用する人工mRNAが合成できている。また、ゲノム編集技術により破壊した遺伝子破壊家系のヘテロ変異個体同士を交配させることにより、対象遺伝子がホモ変異した遺伝的不妊魚を大量生産できる体制が整っている。次年度においてホモ変異個体を作出し、遺伝子レスキューの検討を行える目途がたっている。
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Strategy for Future Research Activity |
生殖細胞に必要なdndホモ変異個体へ人工合成mRNAを投与し、妊性や成熟への影響を明らかにする。処理されたクサフグは、成熟期までの飼育試験を行い、配偶子形成の可否を評価する。また、生残率や体サイズ変化を調査する。生殖細胞分化に関わる遺伝子群や成熟関連遺伝子群の発現状況についても把握する。飼育試験を通し、実験群から配偶子形成が確認された場合には、交配試験を実施し、次世代子孫の生産が可能であるか評価する。
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調に進行しているものの、遺伝子レスキューを行う際の条件検討の実験が開始できていない。次年度は、これを含めて遺伝的不妊魚の次世代生産のための技術開発を進める予定である。
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Research Products
(2 results)