2023 Fiscal Year Research-status Report
ブタ小腸フローラ・免疫制御システムの統合評価系構築
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23K18072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北澤 春樹 東北大学, 農学研究科, 教授 (10204885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 啓太 東北大学, 農学研究科, 准教授 (40756029)
Binghui Zhou 東北大学, 農学研究科, 助教 (70906031)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ブタ / 小腸フローラ / 小腸培養系 / 免疫制御システム / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フローラ培養システムで得られた乳酸菌や代謝産物による小腸免疫制御の解析を通して、小腸フローラ・免疫制御評価システムを確立する。本年度は、以下の2課題から構成され、それぞれの成果が得られた。 【課題1】ブタ小腸フローラの維持培養システムの構築 (1)子ブタの小腸粘液の採取とフローラ解析から子ブタ成長段階の小腸における乳酸菌叢を比較解析した。特に、乳酸菌叢に着目して解析を進め、離乳後の成長段階における変化に特徴がみられた。(2)乳酸菌叢解析結果を基礎として、子ブタ成長段階の小腸粘膜から一部乳酸菌を単離・同定し、課題2における免疫評価試料として保管した。(3)小腸粘液のGAM培地培養を基礎とするフローラ維持培養法について、糖源等検討すべき項目を設定し、次年度の基礎を得た。 【課題2】ブタ小腸免疫評価システムの構築 (1)子ブタ小腸上皮細胞(既に樹立したPIE細胞)と小腸由来マクロファージの共培養系の確立を進め、両細胞の培養条件について検討を進めることができた。(2)共培養において、これまでの実績を基礎として、上皮細胞における毒素原性大腸菌/豚ロタウイルスの単独および混合感染系をについて検討を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子ブタの小腸粘液の採取とフローラ解析から子ブタ成長段階の小腸における乳酸菌叢を比較解析し、特徴的な乳酸菌種から乳酸桿菌を単離・同定することができ、小腸免疫系における評価への展開が可能となった。また同時に、小腸免疫評価システムの構築を進めることができ、計画通り順調に推進できている。
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Strategy for Future Research Activity |
小腸フローラ維持培養法の検討を進めることで、生体モデルの構築ができ、乳酸桿菌や代謝産物を対象として、小腸免疫モデルにおける評価を進めることが可能となる。それらの推進から、小腸フローラ・免疫統合システムの最適化を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度計画の小腸由来乳酸桿菌の単離・同定および小腸粘液の菌叢解析にかかる予算について、検体数をまとめることにより、当初予定していた金額より少額で抑えられた。従って、次年度の小腸フローラ培養モデルの確立とその応用に向け充実させることができる。
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