2023 Fiscal Year Research-status Report
犬悪性黒色腫のリバースモデリングによる転移阻害療法の開発
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23K18077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 大貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任講師 (60843216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
高橋 洋介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (50912549)
池田 凡子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (60967339)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 犬悪性黒色腫 / 間葉ーアメーバ転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍(がん)による死亡原因の90%以上は転移であることから、転移機構を標的とした新規がん治療薬の開発が必須である。本研究では犬悪性黒色腫において、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉―アメーバ転換を標的とした腫瘍の転移阻害療法という新しい概念のがん治療法の開発に挑戦する。 今年度は、上記概念を検証するために、PDPNをCrisprCas9法にて欠損させた犬悪性黒色腫細胞株2株を用いて、マウス皮下移植およびマウス尾静注による肺転移評価モデルにおけるin vivo検証を行った。その結果、PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株を移植したマウスでは、コントロール群に比べ有意に腫瘍系が小さく、PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株移植腫瘍組織では、転移につながるアメーバ様形態をとる一細胞浸潤細胞の数も少なかった。さらに、マウス尾静注肺転移モデルにおいても、PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株投与群では有意に肺転移結節数が少なかった。したがって、犬悪性黒色腫において、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉―アメーバ転換を標的とすることで、転移阻害療法を実現できる前臨床Proof of Conceptが得ることができた。現在、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路の阻害活性を有するROCK阻害剤の犬悪性黒色腫細胞株を移植したマウスモデルを用いたin vivo効果について検討を行うために条件検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株を移植したマウスin vivoモデルにて、本研究仮説を肯定するデータが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス皮下移植および肺転移モデルにおいて、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉―アメーバ転換を標的とすることで、転移阻害療法を実現できる前臨床Proof of Conceptが得られたことから、今後は、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路の阻害活性を有するROCK阻害剤のin vivo効果について検討を進める。具体的には、ROCK阻害剤の投与方法について検証を行うとともに、ヌードマウスへの犬悪性黒色腫細胞株の移植条件の検証を行った後に、犬悪性黒色腫細胞株を移植した担がんマウス皮下移植または肺転移モデルに、ROCK阻害剤の投与を行い抗腫瘍効果の検証を行う。
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Causes of Carryover |
マウスモデルの条件検討が当初予定よりも順調に進み、想定よりも少ない条件検討実験にて、仮説を肯定する実験結果が得られたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度の研究にて、当初計画よりもより詳細なin vivo検証を行うとともに、使用する細胞株数を増やしてより普遍的なデータを得るための実験に使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Podoplanin expressed on cancer-associated fibroblasts inhibited anti-tumor immune response2023
Author(s)
Shoma Koseki, Masahiro Shinada, Daiki Kato, Namiko Ikeda, Susumu Aoki, Takaaki Iguchi, Shiyu Qin, Ryosuke Ota, Hayato Shibahara, Takahiro Kako, Yuko Hashimoto, Yosuke Takahashi, Naohiro Takahashi, Yukinari Kato, James Chambers, Kazuyuki Uchida, Nagaharu Tsukiji, Katsue Suzuki-Inoue, Ryohei Nishimura, Takayuki Nakagawa
Organizer
Veterinary Cancer Society Annual Conference
Int'l Joint Research
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