2023 Fiscal Year Research-status Report
短命の疾患モデルマウスに予想外の延命をもたらす原因を解明し新規治療につなげる研究
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23K18087
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北條 浩彦 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (60238722)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 疾患モデルマウス / 環境変化 / 延命 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性の神経変性疾患は、現在、有効な根本的治療法がない。疾患を克服するためには、疾患の病態を理解し、適切な治療法を開発することが重要である。その実現のために大きな役割を果たしてきたのが疾患を忠実に再現した疾患モデル動物である。今回、その疾患モデル動物(マウス)が飼育環境の変化によって予想外の延命に至ったことを発見した。この予想外の延命マウスは、視点を変えれば極めて有用・有益なモデルマウスとなる。延命をもたらした原因の解明は、根本的治療法が無い神経変性疾患に新たな治療のヒントを提供する。本研究は、疾患モデルマウスに延命をもたらした原因を明らかにし、新規治療法の開発につなげることを目的とする研究である。本年度は、まず、疾患モデルマウスの繁殖と維持に注力した。保存・保管していた凍結受精卵の仮親への移植を行い、誕生したマウスのタイピングを実施した。そして、目的とする疾患原因遺伝子を持ったモデルマウスを得ることができた。現在、これらのマウスをさらに掛け合わせて実験が実施できる匹数の確保を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動に伴う手続きと実験動物飼育のための手続きに予想以上の時間がかかり研究の開始が遅れた。しかしながら、その後は順調に計画が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究推進の要となる作業は、疾患モデルマウスの繁殖と維持である。実験に必要な匹数を用意するために必須の作業である。当該疾患モデルマウスは短命であるため、繁殖・維持に関しては注意深く状態を観察し、系統が途切れないように管理していく。当面の繁殖・維持に必要な飼育スペースは確保しているが、実験規模に応じて今後増やしていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動に伴う手続きと実験動物飼育のための手続きに予想以上の時間がかかり研究の開始が遅れ、研究計画に遅れが生じた。そのため予定していた研究費の執行ができなかった。 現在は順調に研究が進んでおり、2024年度は前年度の遅れを取り戻すように研究を進めていく計画である。しかしながら、円安による物品等の価格高騰によって予想以上の支出があると考えられるため、研究計画通りに進めても研究資金が足りなくなるかもしれないと懸念している。
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