2023 Fiscal Year Research-status Report
メンブレンコンタクト形成―消失サイクルの作動原理の解明
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23K18094
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中津 史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50360607)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | メンブレンコンタクト |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜やオルガネラは部分的に接して「メンブレンコンタクト」と呼ばれる領域を形成することがわかってきた。そしてメンブレンコンタクトは、脂質の輸送の場として機能することが明らかになりつつある。私たちは、メンブレンコンタクトにおいて、2つの脂質が交換輸送される仕組みとその機能を報告してきた。しかしながら、その形成過程や動的特性は未だほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、イメージングや化学・光遺伝学ツール等を駆使して、メンブレンコンタクトの形成・消失機構の解明を目指している。今年度はまず、メンブレンコンタクト形成を誘導操作可能な光遺伝学ツールの作成を試みた。植物由来の光応答分子群など数種類の光誘導型ヘテロ二量体形成ペアを用いて、光照射にてメンブレンコンタクトを形成誘導するためのコンストラクトを、組み合わせやリンカーの長さなどを変えて複数作成した。これらを培養細胞に発現させ、メンブレンコンタクトの形成効率をイメージング解析した。メンブレンコンタクト形成度およびイノシトールリン脂質の変化を指標に評価した。現在、効率の良い候補を絞りつつ、改変を加えている。同様に、メンブレンコンタクト形成を誘導操作可能なケミカルツールの樹立も行っている。先行研究において、ラパマイシン誘導型のメンブレンコンタクト操作ツールは樹立済みであるため、これをベースに可逆的操作が可能なツールの開発を行っている。これらに加えて、今年度はメンブレンコンタクトの形成を制御する小胞体の空間配置情報を取得可能な微細構造解析のための条件検討に着手した。メンブレンコンタクト構造や周囲の膜構造を壊すことなく微細構造を電子顕微鏡解析可能な種々の条件の決定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にしたがい、今年度はまずメンブレンコンタクト形成を誘導操作可能な光遺伝学ツール、およびケミカルツール樹立に着手し、その候補が得られた。加えて、メンブレンコンタクトの電子顕微鏡解析のための条件も決定することができたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の計画に沿って進める。現在進行中のンブレンコンタクト形成を誘導操作可能なツール開発を進め、これに並行してライブイメージング解析を行う。また、電子顕微鏡解析についても、開発したツールを用いたサンプルを作成し、微細構造解析を行う。
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Causes of Carryover |
本研究はおおむね順調に進んでいるものの、昨年度に計画していたイメージング解析の一部が未完了であることから次年度使用額が発生した。前年度から引き続き行っているツール開発や微細構造解析と並行してイメージング解析も進めることで、当初の計画に沿って予算を執行する計画である。
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