2023 Fiscal Year Research-status Report
多細胞システムの運命を左右する稀少細胞の検出とオミクス解析
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23K18115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
市村 垂生 大阪大学, 先導的学際研究機構, 特任准教授(常勤) (50600748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城口 克之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00454059)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | バイオイメージング / 1細胞オミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多細胞システムの中で重要な役割を担う稀少細胞の理解を進めるために、稀少細胞をライブイメージング下でリアルタイムに自動検出・分取しオミクス解析する手法の確立を目的としている。目的を達成するために、研究代表者の市村が開発してきた大視野イメージング系と分担者の城口が開発してきた1細胞分取装置を統合した装置系を開発する。大視野イメージング技術が有する15×10mm2もの広大な観察視野中で、稀少細胞に起因する稀現象を直接観察し、最大100万をこえる細胞群の中に出現する特異な細胞を画像解析によって検出し、その細胞を一細胞解析する。 初年度には、大視野イメージング系への1細胞分取装置の導入と画像解析ソフトウェアの開発を実施した。1センチメートルを超える大視野内で任意の位置の細胞を分取できるように、これまでに開発した1細胞分取装置に、長ストロークで安定動作する電動アクチュエータを導入した。大視野ゆえに生じる諸問題の解消にも取り組んだ。試料面とロボットアームの機械軸を広大な視野の範囲で完全に平行にさせることは難しいので、制御ソフトウェア上で移動軸を疑似的に一致させるように較正するソフトウェア機能を開発し、実験毎に簡便に較正を実施できるシステムを確立した。また、ライブ観察、画像解析による稀少細胞の検出、細胞の分取を自動的に繰り返すシステムを開発した。このシステムによって、非蛍光マイクロビーズに蛍光ビーズを微量混合した試料から、蛍光ビーズのみを検出して分取することに成功し、今後の細胞試料に適用できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたペースで研究開発が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに開発した装置系をさらに改良しながら、細胞試料の観察に取り組み、生命科学応用の可能性を示していく。血球系の細胞をターゲットとして、存在確率の0.01%以下の細胞を高速で検出・分取することを目指す。
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Causes of Carryover |
消耗品とくに試薬の購入額が予定よりも下回ったことにより、次年度使用額が生じた。次年度に、適切なタイミングで同等試薬を購入する計画である。
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