2023 Fiscal Year Research-status Report
工学的アプローチで解き明かす昆虫-細菌間にみられる高度な共生特異性の遺伝的基盤
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23K18157
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古林 真衣子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90849895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 義智 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30571864)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 共生細菌 / 共生特異性 / 遺伝子工学 / 応用微生物学 / 昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌との共生は多くの動植物に広く見られる普遍的な現象である。多くの動植物は、これら共生細菌を毎世代環境中から獲得する。その共生特異性は極めて高く、たった1種類の細菌種を体内の共生器官に保持することがほとんどである。細菌との相利共生系において、共生特異性のメカニズムが解明された例は今なお少ない。本研究では、共生モデル系であるホソヘリカメムシとBurkholderiaの環境獲得型共生系を対象に、新たに工学的なアプローチを駆使することで、その共生特異性を裏打ちするメカニズムの全容解明に迫る。共生細菌の遺伝子組み換えを行うことにより「“共生能”のポジティブセレクション法」を確立し、共生特異性をもたらす遺伝子を一気に炙り出す。その後、「感染はできるが増殖はできない」近縁種(“半”共生細菌)を宿主として、Burkholderia共生細菌のゲノム断片ライブラリを導入し、カメムシに感染させる。解剖したカメムシの盲嚢から細菌を単離して遺伝子を解析すれば、盲嚢での増殖に寄与した遺伝子、すなわち共生特異性因子を突き止めることができる。 本年度は、各種共生細菌用の遺伝子発現制御ツールの整備と試運転を行った。まず、各種共生細菌(Burkholderia属)で広く使えるベクターを開発するため、それぞれの菌の薬剤耐性を広く調査し、汎用できる抗生物質マーカーを決定した。次に、広域ベクターに蛍光タンパク質を定常発現させる遺伝子カセットを導入し、これを各種共生細菌に導入し、ベクターが安定に保持されるかを評価した。さらには、遺伝子転写強度が少しずつ異なる定常プロモータを複数作製し、各種共生細菌の中での強度を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であった各種共生細菌の発現制御ツールの整備と試運転を行った。おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらなるツールの整備(RBS、ターミネータ、各種蛍光タンパク質、誘導型プロモータ)を行う。また、作製したツールを用いて共生細菌のゲノムライブラリを作製する。さらには、カメムシの腸内セレクションのための予備実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度では遺伝子ツール整備が主であったために昆虫飼育費用が予定よりも少なくなった。また、同様の理由で学会参加を本年度ではなく次年度に行うこととしたため次年度使用額が生じた。
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