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2023 Fiscal Year Research-status Report

食嗜好行動の神経基盤から精神状態を予測する

Research Project

Project/Area Number 23K18163
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

疋田 貴俊  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (70421378)

Project Period (FY) 2023-06-30 – 2025-03-31
Keywords神経回路 / 大脳基底核 / ドーパミン / 精神疾患
Outline of Annual Research Achievements

食嗜好は体内環境や精神状態により影響を受ける。ヒトを含む哺乳類は、通常、薄い食塩を好み、濃い食塩を嫌うが、脱塩状態では濃い食塩を好むようになる。また、うつ状態では甘い食物を好まないようになるなど食嗜好の変化を生じる。本研究では、これらの食嗜好とその変化における神経基盤をマウスの食嗜好行動、ドーパミン動態、神経回路動態から明らかにすることを目的にしている。
本年度は、水制限や塩制限によりマウスの体内環境を操作し、食塩嗜好行動および行動中のマウスの側坐核のドーパミン動態を調べた。食塩嗜好行動は水, 低濃度の食塩水, 高濃度の食塩水をランダムに提示し、マウスのリッキング行動を定量化した。行動中のマウスの側坐核のドーパミン動態は、ドーパミンインジケーター蛋白質GRABDAをウイルスベクターを用いて側坐核神経細胞に発現させ、蛍光強度の変化としてファイバーフォトメトリー法により観測した。水制限条件下のマウスにおいては水に対する頻回な飲水行動とそれに応じた側坐核でのドーパミン濃度の上昇がみられ、それに対して濃い食塩水に対する飲水行動は抑制され、側坐核でのドーパミン濃度の低下がみられた。一方、塩制限条件下のマウスにおいては濃い食塩水に対する飲水行動の増加とそれに応じた側坐核でのドーパミン濃度の上昇がみられた。これらから、体内環境に応じた、食塩嗜好行動の変化と双方向的な側坐核ドーパミン濃度の変化を明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウスの体内環境に応じた食嗜好行動を調べる課題を確立し、行動中の側坐核のドーパミン動態を観測することができた。

Strategy for Future Research Activity

側坐核神経回路のカルシウムイメージングにより、食嗜好行動中のドーパミンの下流回路を探索する。マウスの食嗜好行動、ドーパミン動態、神経回路動態から、ホメオスタシス強化学習理論を用いてシミュレーションを行い、マウス個体の体内環境および精神状態を理論的に予測する。

Causes of Carryover

今年度は本研究についての学会参加がなく、旅費支出がなかった。次年度使用額は次年度での学会参加に充てる。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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