2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K18188
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仲矢 道雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (80464387)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | 筋線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
線維芽細胞は、コラーゲン等の細胞外マトリックス蛋白質を組織内に適量産生し、組織が適切な弾性を持つこと等に貢献している。組織に炎症がおこると、線維芽細胞から分化した筋線維芽細胞が、コラーゲンを過剰に産生するように分化する。線維化組織においては筋線維芽細胞の分化状態、コラーゲン等産生能を維持するメカニズムが存在すると考えられている。しかしながら、そのメカニズムはこれまでほとんど明らかになっていない。そのような中我々は、筋線維芽細胞同士の細胞間相互作用が、筋線維芽細胞の分化、コラーゲン産生能の維持に寄与する可能性を世界に先駆けて見出した。そしてその細胞間相互作用を担う可能性のある分子を同定した。本年度は、その分子をマウス心臓および肺から単離した筋線維芽細胞においてノックダウンしたところ、コラーゲン産生能が有意に低下することが明らかとなった。従って、この分子は筋線維芽細胞の分化、コラーゲン産生能の維持に寄与すると考えられた。そこで、この分子のノックアウトマウスおよびこの分子の発現を蛍光タンパク質によりモニターできるマウスの開発に着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書通りにほぼ実験が進捗したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
作成したこの分子のノックアウトマウスに心臓の線維化誘導を行い、線維化の程度が減弱するかを検討する。さらにこのノックアウトマウスに免疫を行い、この分子の細胞外ドメインに対する抗体を取得する。
|
Causes of Carryover |
「その他」の費用として遺伝子改変マウスの作成費用を計上していた。遺伝子改変マウスの作成が少し遅れたために昨年度の支払いが減少した。作成の遅れは2ヶ月程度であるが、ちょうど年度をまたぐ形になった。マウス自体は順調に出来ているため、実験をスピードアップすれば遅れを取り戻すことが出来ると考えている。
|