2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔細菌叢で脳をまもる:抗認知症プラズマローゲンを産生する嫌気性菌の同定と応用
Project/Area Number |
23K18349
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (20400260)
仲川 清隆 東北大学, 農学研究科, 教授 (80361145)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 口腔マイクロバイオーム / 認知症 / プラズマローゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
「国民病」となりつつある認知症の原因の一つは「脳神経の酸化傷害とそれに引き続く炎症」であることが明らかにされつつある。これを防ぐ物質としてプラズマローゲンと呼ばれる一群のリン脂質が知られており、プラズマローゲンは口腔に生息するある種の細菌によって産生されていることが分かってきた。そこで本研究では、プラズマローゲンを効率的に産生する口腔内細菌を分離・同定し、それらの口腔内細菌によって大量生産されたプラズマローゲンのサプリメントとしての投与や、それらの細菌をプロバイオティクスとして直接口腔内に定着させることで、認知症予防の一助とすることを目指している。初年度は、口腔内細菌に含まれるプラズマローゲンを同定・定量できる測定システムの確立を行った。その結果、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法を用いることで、精度よくプラズマローゲンを同定・定量できることが確認された。実際に、口腔マイクロバイオーム(プラーク)を用いることで、口腔マイクロバイオームにプラズマローゲンが存在すること、その含有量には個人差があることが明らかになった。一方、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法では、測定試料の調整が煩雑でコストが高くなるため、今後のスクリーニングのためには簡易的なプラズマローゲン測定法が必要であることが分かった。そこで、現在、プラズマローゲン由来物質と特異的に結合する色素を用いた簡易測定法を開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔マイクロバイオームからのプラズマローゲンの同定・定量は、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計を用いることで成功したが、試料の調整が煩雑でコストが高いため、簡易同定・測定法の開発を行うこととした。このため、当初予定よりもやや遅れている。しかし、本簡易法の開発により、同定・測定コストを抑えつつ、スクリーニングができることにより、当初の予定に追いつくものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.プラズマローゲン産生菌の分離と同定:全歯面プラークを採取し、血液寒天平板に播種、嫌気チャンバーにて培養する。コロニーを滅菌生食水に懸濁し1/3量を新たな血液寒天平板に植菌、細菌を保管する。次の1/3量でプラズマローゲン簡易検出法)によるプラズマローゲン産生能スクリーニングを行う。プラズマローゲン産生能を有する場合には残り1/3量からDNAを抽出、16SrRNAシーケンス法で細菌種を決定する。 2.分離細菌の各型プラズマローゲン産生能および代謝系の検討:プラズマローゲン産生菌を、各種環境下(pH、栄養源等)で培養し、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法を用いて各型のプラズマローゲン産生を検討する。これらの結果からプラズマローゲン高産生条件を見出し、大量生産への道筋を付ける。同時にプラズマローゲン代謝経路を、遺伝子データベースとの照合や高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法でのメタボローム解析等で検討する。 3.プレ/プロバイオティクスの検討:プラズマローゲン産生促進物質を探索し、プレバイオティクスとしての可能性を検討する。さらに、プラズマローゲン産生菌のプロバイオティス応用を見据え、既報のアルツハイマー型認知症モデル動物(マウス)を用いて、脳機能改善効果を検討する。
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Causes of Carryover |
口腔マイクロバイオームからのプラズマローゲンの同定・定量は、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計を用いることで成功したが、試料の調整が煩雑でコストが高いため、簡易同定・測定法の開発を行うこととした。このため、当初予定よりもやや遅れ、それに伴い、支出も減少した。次年度は、本簡易法の開発により、同定・測定コストを抑えつつスクリーニングを行うとともに、当初計画通りの研究を行う。
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Research Products
(34 results)
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[Presentation] Profiling of the Microbiota on the Surfaces of Non-woven Fabric Masks after Wearing and Smartphone Touchscreens2023
Author(s)
Anna Wakui, Miho Kawachi, Nanase Takahashi, Takashi Abe, Shingo Maruyama, Nagara Kaku, Misato Miyazawa, Aya Sato, Manami Imai, Hikaru Arai1, Kaori Tanaka, Yuki Abiko, Jumpei Washio, Nobuhiro Takahashi, Takuichi Sato
Organizer
Interface Summer Seminar 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] Profiling of the Microbiota in the Remaining Green Tea Drinks in Plastic Bottles2023
Author(s)
Miho Kawachi, Anna Wakui, Nagara Kaku, Nanase Takahashi, Misato Miyazawa, Takashi Abe, Aya Sato, Manami Imai, Hikaru Arai, Haruna Sato, Yuki Kato, Rika Okabe, Yuka Naruse, Nao Sato, Kaori Tanaka, Mayu Higuchi, Yuki Abiko, Jumpei Washio, Nobuhiro Takahashi, Takuichi Sato
Organizer
Interface Summer Seminar 2023
Int'l Joint Research
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