2023 Fiscal Year Research-status Report
MPN武装細菌による口腔マイクロバイオームの再構築
Project/Area Number |
23K18357
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
多部田 康一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20401763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 広貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00724543)
野中 由香莉 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40710520)
高橋 直紀 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80722842)
中島 麻由佳 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90804542)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロバイオーム再構築 / 口腔細菌移植 / Metal-Phenolic Network |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の歯周病病因論としてDysbiosis(病原性の高いマイクロバイオーム)が認知され,口腔細菌と宿主との均衡が保たれたマイクロバイオーム(Symbiosis)の確立と維持が治療のゴールなるべきである。しかし,現治療体系の進歩は得られていない。 本研究では積極的Symbioticマイクロバイオーム再構築を目的として,抗微生物薬剤によるDysbiosis除去と同時に患者個人の健康部位由来のSymbiosis細菌群を移植し,菌叢の即時リプレースを行う臨床構想のもと,金属ポリフェノール錯体(Metal-Phenolic Network: MPN)を用いた菌体操作によるMPN武装細菌の作成と性能評価を試みる。 本年度は,モデル口腔細菌を用いてMPN操作技術の確立を行った。ポリフェノール(タンニン酸)と鉄イオンの即時反応によりモデル細菌表面が均一にMPNコーティングされることを電子顕微鏡(SEM・TEM)及び共焦点レーザー顕微鏡にて確認した。MPNコーティングされた細菌(MPN-cell)を各種抗菌剤にて処理したところ,コーティングを行なっていない細菌と比較してMPN-cellが有意に高い生存率を有することが明らかとなり、薬剤耐性能を獲得させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル口腔細菌を用いてMPN武装細菌の作成技術が確立された。また期待通りにMPN武装細菌が薬剤耐性能を獲得することが確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
MPN操作技術を口腔細菌叢構成細菌群へ応用可能であるか確認を行うとともに、in vivoにおける動態解析を行う。
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Causes of Carryover |
In vivoにおける細菌叢解析を当該年度末頃に予定していたが、次年度に行う見込みとなったため。
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