2023 Fiscal Year Research-status Report
バイオプリンティング技術を用いた新規3次元皮膚モデル作製への挑戦
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23K18399
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系, 教授 (20313637)
棟居 聖一 金沢大学, 医学系, 助教 (10399040)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | バイオプリンティング / 皮膚モデル / 表皮 / 真皮 / 血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、バイオプリンティング技術を活用し、表皮・真皮の形態的特徴並びに血管網を有する機能的特徴の双方を担保する新規3次元皮膚モデル構築を試みることを目的とする。この目的を達成するために、2023年度は下記の実験を行った。 1. 使用する細胞の選定:先行研究の知見をベースに研究組織内で検討し、primary epidermal keratinocytesとprimary dermal fibroblastsを使用することとし、業者より購入、生育条件を検討の上、継代を行った。 2. バイオプリンターの操作手技取得:オンライン並びに現地でのトレーニングを行い、バイオプリンターの基本的操作手技を習得した。 3. バイオインクの選定:先行研究等の知見をベースに検討し、バイオインクの候補を上げた。 4. モデル作製のトライアル:1~3で選定した細胞やバイオインクを組み合わせ、印刷条件(モデルの形状や硬化時間)を検討するために初回トライアルを実施した。作成したモデルは細胞の生存は確認できたものの、足場である構造物の形状保持が難しい点が問題となった。そのため、バイオインクのみを使用し、印刷条件(モデルのサイズや印刷時間、硬化時間等)を検討する2回目のトライアルを実施した。モデルのサイズを変更することで、構造物の形状保持が可能であった。しかしながら、一連の手技に時間を要したため、時間経過に伴い多少ゲル化した構造物となることもあった。そこで、印刷時間を厳密に調整するためにバイオインクのみを使用した3回目のトライアルを行った。バイオインク充填からプリント終了まで10分以内に行うことにより、ゲル化せずに連続した構造物のプリントができ、これらの構造物の形状保持も可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル作製のトライアルで条件検討に時間を要したが、研究は予定通り順調に進んでいるため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に選定した細胞、バイオインク並びに検討した印刷条件を元に3次元皮膚モデル(血管網なし)を作製し、作製したモデルの細胞生存率や形態学的評価を行う予定である。モデルの構築が上手くいかない場合等は、研究組織内での検討に加え、専門家へのコンサルテーションを行い、対応を検討する。
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Causes of Carryover |
計画通りに執行したが、トライアルとして手元にあるバイオインクを使用したため、残金として<次年度使用額>が生じた。<次年度使用額>については、<翌年度分>と合わせて研究遂行に必要な消耗品等の購入を行う予定である。
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Research Products
(1 results)