2023 Fiscal Year Research-status Report
新規モデル動物を用いた骨格筋におけるリアノジン受容体CICR機構の意義
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23K18453
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山澤 徳志子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00282616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10230012)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | リアノジン受容体 / 骨格筋 / CICR |
Outline of Annual Research Achievements |
筋小胞体膜に存在する1型リアノジン受容体(RyR1)を介したCa2+誘発性Ca2+放出(CICR)機構は、50年前に骨格筋において初めて発見された。しかし、骨格筋の生理的収縮(興奮収縮連関)では、RyR1はT管膜のジヒドロピリジン受容体と相互作用して膜の脱分極で開口する脱分極誘発性Ca2+放出(DICR)機構と考えられている。これまでDICRとCICRを区別できる方法がなかったため、骨格筋におけるCICRの機能は未だに不明である。近年、CICRに必要なCa2+結合部位が同定されたことから、我々は、DICR活性を変えずにCICR活性だけを強く抑制する変異を導入したノックインマウスを作出した。 本研究では、このCICR活性を抑制するマウスを用いて、これまで未解決であった、骨格筋におけるRyR1のCICR機構の役割を細胞レベルから個体レベルで明らかにすることを目指している。 今年度は、骨格筋におけるCICRのDICRの増幅系の寄与について検証した。CICR抑制マウスのホモマウスが誕生したので、野生型と同じように成育するかを体重測定、筋重量、筋線維タイプ、X線CTスキャンによる骨・筋量・脂肪量を評価した。いずれの項目においても、野生型とホモ接合体にDICRに対するCICRの増幅系の寄与がほとんどないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画である「骨格筋におけるCICRのDICRの増幅系の検証」を遂行し、その成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の大きな変更は予定していない。当初の研究計画に沿って次年度も研究を進め、研究期間内に最大限の成果が得られるよう努める。
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Causes of Carryover |
今年度末に納品予定の顕微鏡のステージに設置する特注の保温装置は、一部の部品の納期が遅れたため、納品が次年度に延期された。しかし、次年度の研究計画に必要なものであるため、納期の遅れがあっても研究計画の遂行に支障はない。
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