2023 Fiscal Year Research-status Report
Understanding and Control of Swimming Motion in Jerryfish via Motion Hacking
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23K18472
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大脇 大 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40551908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 浩平 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (10740251)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 計測介入システム / 3次元計測 / 電気刺激装置 / Motion Hacking |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,研究代表者が開発したMotion Hacking法,すなわち,動物自身の感覚運動機能を残存させた状態で,筋肉への電気刺激により,運動をハッキングする方法,を駆使し,クラゲの浮遊運動を介入操作することで制御機序を探求するという斬新なアプローチを採用する.介入操作による因果データに対して最先端の機械学習法(リザバー計算,逆強化学習法)を用いることで制御則をモデル化し,クラゲの超高エネルギ効率かつ適応的な浮遊能力の背後に隠れた制御の謎を解く.
[R5年度] クラゲの3次元浮遊定量化計測・刺激介入システムの開発: クラゲの水中浮遊運動を定量化する計測システムを構築した.クラゲの身体はやわらかくほぼ水分であるため,マーカーを貼付することは難しい.生体用蛍光エラストマーであるVisible Elastomer Tagsをクラゲに注入しUVライトで蛍光することで,身体部位の追跡とした.解析簡単化のため,側面から2つの鏡を用い上面カメラだけでx-y-zの3方向を含む動画を同時撮影する計測システムを構築した.DeepLabCutを用いた解析により2次元座標を取得し,浮遊軌道を3次元再構築した.
代表者が開発したMotion Hacking装置を改良し,マイコン(Raspberry Pi Pico)から出力されるプログラマブルPWM信号をワイヤー電極を介してクラゲの筋肉に入力することで,浮遊運動へ介入し操作するクラゲ水中浮遊への介入実験システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測介入システムを構築した. 開発したシステムを用いて,5個体でのクラゲ浮遊解析,介入実験を実施した,
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Strategy for Future Research Activity |
Motion Hacking介入時のEcho State Property解析: 浮遊運動を「リザバー」と据えることでリザバーコンピューティングに基づく計算論的 枠組み(Nakajima, 2020)から,その「理解」と「制御」を試みる.まず,クラゲ浮遊リザバーが計算能力を持つための条件であるEcho State P roperty(ESP, Jagaer 2001),すなわち時系列入力のみに依存して出力が決まる条件を評価することで,リザバーとしてモデル化(計算)能 力を定量化する.さらに,浮遊時のMotion Hacking介入によるマルチタスク浮遊制御(静止制御,速度制御,方向制御)を実現する入出力(行 動-状態)の因果データを蓄積する.
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Causes of Carryover |
クラゲ浮遊計測システムの開発が順調に進んだため. 前年度と同様に,次年度も計測システムの改良と生物実験のための試料として使用する計画である.
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