2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K18507
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
駒水 孝裕 名古屋大学, 数理・データ科学教育研究センター, 准教授 (30756367)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 勝彦 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (70217561)
佐野 智也 名古屋大学, 法学研究科, 講師 (30419428)
|
Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | 法情報管理 / データ構造化 / テキスト / Linked Open Data |
Outline of Annual Research Achievements |
ある事物に関する法的な情報が分散している状況は,人間が法令を認識する場合だけでなく,機械や AI にルールを取り込む際に困難を生じる.例えば,完全自動運転において,法令を遵守した運転が安全な社会のために求められる.また,新たな製品やサービスを開発する場合において,開発者が法令を誤認識している場合に問題が生じうる.例えば,電動キックボードは道路交通法上では原動機付自転車扱いにも関わらず,開発者が動力を備えていないキックボードと同様に遊具として認識・販売された.これを購入した者がその使用によって事故が発生したことで,社会の安全を侵害した.このような法令への認識の甘さは社会の安全を脅かすものであり,急激に変化する現代において, {法令を管理する方法の抜本的な見直しが必要となっている. 本提案では,オンデマンド型仮想六法の構成方法を開発する.上述のように,従来の法情報管理では,ある概念に関する規定を知るためには,広範に渡る法令から関連するものを探し出す必要があった.これに対して,特定の背景を持つ人(こどもや自動運転開発技術者などに特化した仮想六法の構築を容易にすることで,事物に関する規定が分散した現状を打開する. これに対し,本年度はデータ構築に終始した.その中で,法令の種類(法律,府省令など)によりデータ構造や文書の構造が異なることが課題となることが明らかとなり,この点に注力した.次年度に向け,この点を解消し,当該目標に向けた研究を推進するための手ががりを得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通りに卓越大学院プログラム TMI の一部の活動として当該研究を進めている.一方で,作業対象の法令が多岐にわたることに加え,下位法令(府省令など)のデータが標準的なフォーマットに則っていないことから,人手によりデータ構築作業に想定以上の労力がかかっており,当初目標よりもやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
作業対象の法令を限定し,仮想六法構築に向け COLIM の実現を目指す.
|
Causes of Carryover |
前述したデータの不都合への対処により,研究の進行がやや遅れ,その結果,予定していた学会発表に伴う出張などができなかったため,これを繰り越すものである.
|
Research Products
(3 results)