2023 Fiscal Year Research-status Report
超精密電気計測技術とAIを用いた脳の学習・記憶機能を調整する刺激パターンの探索
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23K18512
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 郁郎 東北工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90516311)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | フィードバックループ / 微小電極アレイ / 電気活動 / CMOS-MEA / 記憶・学習 / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
脳回路とAIのフィードバックループシステム開発とCMOS多電極アレイを用いた電気刺激のための条件検討を行った。 ①脳回路とAIのフィードバックループシステム開発 培養神経細胞および脳スライスに対するフィードバックループをテストを初めにMED64システムを用いて開始した。培養したラット初代海馬由来神経細胞およびマウス生体海馬スライスに対し電気刺激を行うことで、誘発応答が得られることを確認し、TCP/IP通信を用いて、計測装置からリアルタイムに信号を受信できる実験環境を整備した。また、24万もの電極を備えたCMOS多電極アレイ(CMOS-MEA)から取得したビッグデータを用いてフィードバックループを実現するため、神経活動が活発に観測された電極のデータのみをバイナリファイルとして保存し、MATLABで読み込みおよび解析する実験系を構築した。この方法により、処理速度が大幅に向上し、計測時刻から刺激印加時刻までの時間が短縮されることが確認された。さらに、CMOS-MEA上の海馬スライスから得られた神経活動データに周波数解析を行うことで、γオシレーションが出現する領域を可視化することに成功した。 ②CMOS多電極アレイを用いた電気刺激のための条件検討 24万電極を有するCMOS-MEAは、そのスケーラビリティ故に各電極のサイズが10 μmと極めて小さい。このような微小電極を用いて効率よく電気刺激を細胞に導入するには、電極の改良が重要である。そこで、電極表面に表面修飾を行うことで、低インピーダンス電極の作製に成功した。また、作製した修飾済CMOS-MEA上にラット初代海馬由来神経細胞およびマウス生体海馬スライスが培養できることを確認した。加えて、システムが正常に動作し、電気刺激の強度が増大することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
記録装置から解析PCへの計測データのリアルタイム送信の目途が立ち、フィードバックループの実験を行うことができるようになった。また、CMOS-MEAでの電気刺激の検討が進み、フィードバック実験に適した電極アレイを作製することができた。以上のことから、おおむね当初の計画通りに進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は培養神経細胞に対するフィードバックループ実験を開始し、電気刺激によって神経ネットワークのオシレーション強度がどのように変化するか調査する。また、オシレーション強度の調整に至適な刺激パラメータを探索するAIアルゴリズムを開発し、実験者の手を介さない神経ネットワーク―AI間相互学習系の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
実験の進捗状況と今後の計画を精査した結果、来年度に使用した方が効率的に研究を進められると判断した為。
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