2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a wireless technology for modulation of cellular function using electromagnetic driving spheroids
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23K18568
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
齋藤 淳史 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (30714539)
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Project Period (FY) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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Keywords | 電気薬学 / マイクロコイル / 電磁誘導 / 神経スフェロイド / グリアスフェロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
計画初年度となる2023年度は,マイクロメートルオーダーの微小コイル(マイクロコイル)とヒトiPS細胞由来神経細胞を共培養することで,マイクロコイルとヒト培養神経回路網を有機的に融合するための予備的実験を実施した。また,細胞培養容器の底面に2次元状に培養したヒト培養神経回路網の上部にマイクロコイルを配置し,外部から印加する変動磁界によりマイクロコイルに誘導される電流を介して近傍の神経細胞をワイヤレスで刺激するための基礎的検討を実施した。実験の結果,マイクロコイル表面に細胞外基質(ポリリジン)を形成させることによりマイクロコイル表面に神経回路網が形成されることを確認した。しかし,マイクロコイル表面と神経細胞の接着は弱く,マイクロコイルを内包した神経スフェロイドの作製には至らなかった。そのため,マイクロコイル表面に効果的にヒト培養神経回路網を形成させるにはマイクロコイルのサイズや細胞外基質の種類、細胞培養の方法等に関して更なる検討が必要になると考えられた。一方,外部変動磁界とマイクロコイルを用いた神経活動のワイヤレス駆動に関する予備的検討を行なった結果,2次元培養されたヒト培養神経回路網に20 kHzのバースト状の変動磁界を繰り返し印加することで磁界の印加タイミングと一致した刺激誘発応答(細胞内カルシウム濃度変化)を観察することに成功した。以上の結果より,マイクロコイルと変動磁界を用いた神経活動のワイヤレス調節については考案手法を実証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞外基質を形成したマイクロコイルとヒトiPS細胞由来神経細胞を共培養することでマイクロコイル表面への神経回路網の形成およびマイクロコイルに外部から変動磁界を印加することで,マイクロコイル内部への誘導電流の生成を介して近傍の神経回路網の電気的活動をワイヤレスで調節できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に続き,マイクロコイルの表面修飾および培養神経回路網との共培養に関する検討を継続し,マイクロコイルを内包した神経スフェロイドの作製を試みる。また,2次元培養したグリア細胞(アストロサイト)上にマイクロコイルを配置し,変動磁界による発熱等を介してグリア細胞の活動をワイヤレスで調節するための基礎的検討を行う。
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