2023 Fiscal Year Research-status Report
森英恵の海外向け作品における日本産染織品に関する基礎研究
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23K18638
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
廣田 理紗 武庫川女子大学, 生活美学研究所, 嘱託研究員 (00986242)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 服飾 / 染織 / 森英恵 / ファッション / テキスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は森英恵が1960年代に発表した海外向けドレス(日本国内で流通した海外向け同等のドレスも含む)に使われた日本産の布地についての基礎研究。2023年度は予定していた11点のドレスのうち、島根県立石見美術館所蔵の1964-68年発表のドレス2点、京都服飾文化研究財団所蔵の1966年発表のドレス1点、東京衣裳所蔵(日活株式会社から管理替え)の1966年および68年発表のドレス2点、計5点の調査を終えた。京都服飾文化研究財団では1965年発表と思われるドレス1点も、追加で確認できた。また、計画段階では想定していなかったメトロポリタン美術館での調査も実施することができ、同館所蔵の森英恵作品のうち1965-69年頃発表と思われる5点のドレス(4点はアメリカ人オーナーの旧蔵品、1点は森英恵本人からの寄贈品)も実見し、今年度は11点のデータを得た。 西陣織、縮緬、など生地ごとの成立背景を探る計画だが、今年度は踏み込んだ検討には至ることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個人所有の作品調査や、布の産地での調査は、交渉が予定通りに進まず、調査場所確保などの課題もあって実現できなかった。また、研究者と調査先の繁忙期のずれもあり、2024年度はさらにスピードを上げて調査に当たりたい。
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Strategy for Future Research Activity |
未調査作品6点について:島根県立石見美術館の所蔵品は急ぎ終わらせる。個人蔵の作品については調査できないことも視野に入れる必要を感じている。メトロポリタン美術館で調査を実施できたことから、すでに計画時に考えていた11点という作品データ数は得ているので、研究の信憑性が損なわれることはないと考える。 素材ごとの踏み込んだ調査、検討を進めるために、上半期のうちに現地調査を終えて下半期は調査結果の検討・考察に努めたい。
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Causes of Carryover |
調査をベースとした基礎調査という組み立てであるため、予定していた調査全部に出かけることができなかったこと、それに伴って予定していた資料請求などもできなかったことが主たる原因と考えている。機材の購入も調査を優先にして後に回してしまった。 2024年度は、4月には機材の購入を済ませ、上半期で必要な調査を終わらせたい。下半期は調査結果の検討にあたり、計画的な予算執行につとめる。
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