2023 Fiscal Year Research-status Report
少子高齢化社会とマクロ経済:介護と社会保障制度改革
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23K18780
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
御子柴 みなも 名古屋大学, 経済学研究科, 講師 (90983693)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 少子高齢化 / 介護 / 社会保障 / 世代重複モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、個人が高齢期に直面する介護リスクがマクロ経済に与える中長期的影響を分析し、持続可能な税・社会保障制度を構築することである。本研究では、経済全体の介護サービス需要は人口構造および家族構成の変化に依存することに着目し、人口および家族構成に関する様々なシナリオのもとで分析を行う。
2023年度は、家計の介護サービス選択、中長期的な人口構造及び家族構成の変化に関するデータの整理・分析を行った。家計の介護サービス選択については、厚生労働省によって提供された「国民生活基礎調査」及び「中高年者縦断調査」の調査票情報を利用して、家族構成・介護状態といった属性ごとの介護サービス選択について整理を行った。中長期的な人口構造及び家族構成については、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」を用いて、シミュレーションシナリオの検討を行った。
また、定量分析で用いるモデルはMikoshiba (2023)やImrohologlu and Zhao(2018)を素地として、拡張・改良を行っている。拡張・改良においては、整理・分析を行ったデータを元に、家族構成と介護サービス選択について重点的に行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿った、介護に関するマイクロデータの整理・分析を進めるとともに、定量分析に用いるシナリオやモデルの改良を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロデータの整理・分析およびカリブレーションパラメーターの推計作業を取りまとめ、ベースラインとなるモデルの定量分析を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
定量分析の実施まで分析が進まなかったことから、当初購入予定であったパソコンの購入を行わなかった。定量分析に用いるパソコンについては、2024年度に購入予定である。
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