2023 Fiscal Year Research-status Report
少年たちの被害経験に着目した非行からの離脱プロセス
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23K18834
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大江 將貴 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (70981778)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 非行からの離脱 / 少年非行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、犯罪・非行からの離脱過程にある非行経験者が過去の被害経験からどのように立ち直っていくのかを明らかにすることを目的としている。具体的には、元非行少年に対する縦断的なインタビュー調査から、(1)非行経験者がどのように犯罪・非行から離れていくのかという犯罪・非行からの離脱プロセス、(2)(1)の過程において、虐待やいじめを受けたといった何かしらの被害経験を有する非行経験者が、どのように被害経験から立ち直っていくのかを明らかにする。本研究の意義は以下の2点である。第一に、長期的な縦断的インタビューにもとづき、犯罪・非行からの離脱過程を明らかにすることである。第二に、これまであまり主題にされてこなかった非行経験者の被害経験からの立ち直りに着目することである。非行経験者の被害経験に着目することで、犯罪・非行からの離脱に対する新たな理解を加えられる点に意義があるといえる。 当該年度においては、まず、犯罪社会学や教育社会学、被害者学など国内外の関連する文献や資料を収集し、非行経験者が経験している被害状況や彼らが抱えている生きづらさを把握するとともに、国内外の犯罪・非行からの離脱に関わる研究動向を整理することを試みた。また、文献や資料の収集と並行して更生保護施設に在籍経験のある非行経験者へのインタビュー調査を実施した。また、継続して調査に協力していただけるよう非行経験者や更生保護施設との関係性を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画していたとおりに、犯罪・非行からの離脱に関する文献や資料、非行少年たちの被害経験に関する文献や資料を収集でき、更生保護施設に在籍経験のある少年へのインタビュー調査を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた少年への縦断的なインタビュー調査を引き続き実施する。また得られたデータを分析し、関連学会で報告したうえで、論文化していく。
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Causes of Carryover |
当初予定していたよりも謝金としての執行が少なかったことによる。研究代表者が研究機関を異動したため、当初計画より旅費の使用額が増加することが予測されるため、次年度使用額については旅費として使用する。
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