2023 Fiscal Year Research-status Report
Clarifying the process of deliberation in social studies classes: Focusing on students' participation structure in classroom discourse
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23K18862
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大脇 和志 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (90982588)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 社会科 / 授業研究 / 教室風土 / 熟議のためのナッジ / ミニ・パブリックス / 公民科 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023(令和5)年度に実施した研究の成果は、大きく2つにまとめられる。 ひとつは、「社会科授業における熟議の成立過程」を解釈する理論枠組みを暫定的に設定できたことである。「熟議のためのナッジ」としての社会科授業の5つの条件を(1)開かれた教室風土、(2)偶然性の担保、(3)教師による熟議の喚起、(4)ファシリテーターとしての教師と児童生徒、(5)熟議関与の前提となる資源の付与、として示し、この理論枠組みに基づいて高等学校公民科の授業を事例として考察を行った論稿を2023年の全国社会科教育学会で発表するとともに、書籍『Well-beingをめざす社会科教育:人権/平和/文化多様性/国際理解/環境・まちづくり』の第3章第2節として刊行された。 もうひとつは、熟議を取り入れた社会科授業の記録を順調に収集・作成できたことである。今年度中に、小学校教諭1名、高等学校教諭2名の協力を得て、それぞれ1単元ずつ合計3つの授業記録を収集した。さらに、次年度についても、この3名の教諭に加えて中学校教諭1名の協力を得るための準備を進めることができた。各教諭の実践は単元ごとに時数やねらいなどさまざまであるが、いずれの単元においても、アクション・リサーチのようなかたちで授業の構想段階から関与し、話し合いの場面を設定し、熟議の成立を目指そうとする手立てを講じてもらった。データ収集のための参与観察からも話し合いが深まる様子が確認でき、今後これらの授業記録を、先述の理論枠組みに基づいて整理、分析することで、熟議の成立過程を明らかにする見通しをもつことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は、本研究がふむ3つの段階のうち第2の段階まで到達している。「社会科授業における熟議の成立過程」を解釈する理論枠組みを設定したうえで、熟議を取り入れた社会科授業の記録を順調に収集・作成できつつある。 よって、2023(令和5)年度までの進捗状況について「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024(令和6)年度は、引き続き熟議を取り入れた社会科授業の記録の収集・作成を進めるとともに、収集した授業記録の分析に着手する。授業者と協議を適宜行いつつ、具体的な授業の場面で例証しながら熟議の成立過程の解明をめざす。研究の成果の一部は、今年度の日本社会科教育学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2023(令和5)年度に茨城大学で開催予定だった日本社会科教育学会第73回全国研究大会が、オンライン開催に変更になり、また奈良の私立中学校でのデータ収集が翌年度になったため、旅費として次年度使用額が生じた。2024年度(令和6)年度の学会参加、およびデータ収集のための学校訪問に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)