2023 Fiscal Year Research-status Report
幼保小の若手教員との共創による接続期の新たなカリキュラムの構成と展開
Project/Area Number |
23K18897
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 美佐緒 宮城教育大学, 教育学部, 講師 (80983296)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 幼保小接続の新たなカリキュラムの要件 / 子供への関わり方 / 環境構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を手掛かりとした幼保小接続の新たなカリキュラムの構成と展開を幼保小の初任者層の教員(以下,若手教員)と共に行うことを通して,子供の資質・能力を育む若手教員育成のための要諦を解明することである。 令和5年度の目的は,幼保小の接続期におけるカリキュラム・幼児期の終わりまでに育ってほしい姿・子供への関わり方・環境の構成に対する幼保小の若手教員の取組状況や困り感,困り感改善のための要望を調査(質問紙調査)することである。調査対象者は,仙台市内の57か所の幼稚園・保育園の保育者57名,1年担任経験者小学校教諭14名,新1年保護者241人を対象とし,令和6年2月下旬に幼保小連絡会議,新1年保護者会に調査実施をした。 「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」アンケートでは,(2)自立心(4)道徳性・規範意識の芽生え(5)社会生活との関わり(7)自然との関わり・生命尊重が低い数値となった。一方,(1)健康な心と体(10)豊かな感性と表現は高い数値となった。 保護者の認識として,幼児教育で心と体を満たして遊び,遊びをもとに幼児が育っている実感はあるものの,「自分のことは自分でする」「ものごとにめげずに取り組む」「自然や生き物とかかわる」ことなどについては育ちの実感が伴っていないことも分かった。 幼保小の若手教員が接続期における子供の成長を切れ目なく支えられるようにするための環境の構成や子供への関わり方を含めた,幼保小接続期の新たなカリキュラムの要件が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は,アンケート内容を吟味して計画どおりに質問紙調査を実施することができた。また,「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を手掛かりとし,環境の構成や子供への関わり方の工夫なども含めながら,幼保小の若手教員と共に,接続期の新たなカリキュラムを策定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の目的は,接続期の新たなカリキュラムの展開を通して,子供の資質・能力を育む若手教員育成のための要諦を解明することである。 小学校1年入学式後から1か月間,接続期の新たなカリキュラムを展開する授業記録をとる。 カリキュラム展開場面における若手教員と子供たちの姿について私が着目した場面を示し,若手教員に環境や子供への関わり方について気付き・改善を促す授業リフレクションを行う。実施した授業リフレクションの若手教員と私とのやり取りをもとに,指導内容や指導方法に関する気付きと改善を促すための教員用映像教材のプロテクトを作成する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は,有識者(北海道・山梨・福島)にスタートカリキュラムの現状についてヒヤリングを行い,現地調査を行う予定であった。しかし,日程が合わなかったため,電話で新カリキュラムを実践するにあたり,要望や期待している効果などをヒヤリングすることができた。その結果,予定していた現地調査をする旅費の未使用額が発生した。 令和6年度は,接続期の新たなカリキュラムを実践し,研究成果をまとめた教員用映像教材のプロトタイプを作成する。さらに,若手教員が現場でも使用できるように,その教材について全国各地の有識者からアドバイスをいただく。できた教材は,研究発表会や学習会,現場の幼保小学校へ配布する。
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