2023 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ教育におけるサウンド・エデュケーションの有効性
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23K18913
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
外崎 純恵 和洋女子大学, 人文学部, 助手 (90980235)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / ICF / サウンド・エデュケーション / 聴覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、聴覚障害者と聴者の音楽の授業の中で生活の中の音を扱った音楽づくりの活動であるサウンド・エデュケーションを実践し、インクルーシブ教育にどう影響するのか、その効果を検証していくことを目的としている。昨今、特別支援教育においてインクルーシブ教育が推進されている。インクルーシブ教育においては、多様性を尊重し障害者が学習に参加することが目指されているが、実際の現状として環境や仕組みは整っているとは言い難い。現在、通常学校に在籍する聴覚障害者は増加傾向にあり、聴者と聴覚障害者が共に音楽の授業を受けることがある。しかしその中では、聴者を基盤とした手本通りに演奏することを求める実践が行われることが多い。以上を踏まえ、2023年度は小・中・高等学校の音楽の授業において聴覚障害者と聴者が共に学習している例を文献から調査した。併せて、青森県内にある聾学校と近隣の高等学校との音楽づくりの活動を実施する予定であったが、対象校の都合により実施ができなくなったため、聾学校の生徒のみを対象とした活動を4回行った。2023年度の研究成果は、日本音楽教育学会第54回大会、Asia-Pasific-Symposium for Music Education Researchにて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、聾学校と近隣の高等学校との交流及び共同学習にて音楽づくりの活動を実施する予定であったが、都合により実施が叶わなくなったため、計画を変更し聾学校の生徒のみを対象とした活動を行った。交流学習の実施はできなかったものの聾学校のみでの活動からも十分な研究成果が得られたため、日本音楽教育学会第54回大会、Asia-Pasific-Symposium for Music Education Researchにて発表を行った。研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究成果は、2024年8月に開催されるInternational Society for Music Educationで発表する。2023年度に行う予定であった活動は、対象校を変更し実施する予定である。活動実施の他にも文献調査や参加者へのインタヴュー調査を行い、精緻化を図る。2024年度の研究成果は、日本音楽教育学会にて発表を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度は当初予定していた活動の実施ができなかったことから、使用額が予定より少なくなっている。2024年度は計画通り活動を行うことのできる見通しが立っているため、青森市への旅費および活動において必要な物品の購入費を使用する予定である。さらに、フィンランドで開催される国際学会にかかる旅費及び宿泊費も使用することとしている。他にも、データの分析に必要な機器も購入予定である。
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Research Products
(4 results)