2023 Fiscal Year Research-status Report
Development and Verification of a Classroom Management Program that Realizes Restorative Approach between Children
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23K18936
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松山 康成 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (10767015)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 修復的対話 / 学級経営 / 対立問題 / ピアメディエーション / ポジティブピアレポーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は以下の3点である、 【1】社会的相互作用の促進と修復的対話スキルの関連の検討 【2】学級経営プログラムの教材開発 【3】学級経営プログラムの効果検証
目的【1】のために、小学校5年生2学級81名に対して、社会的相互作用の促進を実現するPPR(Positive Peer Reporting)を実践した。社会的相互作用の促進と修復的対話スキルの関連の検討するために、友人同士の対立場面における介入行動意図尺度(松山・真田・栗原, 2021)を用いて質問紙調査を行った。質問紙調査については、別の小学校5年生1学級30名にも実施した。その結果、介入行動意図における援助意図が有意に向上し、傍観意図が有意に低下した。また、介入行動意図における介入意図および非介入意図については効果が示されなかった。今後はこの成果に基づいて、目的【2】についても研究を行い、目的【3】の効果検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に実施する予定であった目的【1】については計画通り検討することができた。しかし、本研究の主たる目的である修復的対話に関する検討は行うことができたが、児童の心理的負担や学校におけるカリキュラム内での研究実施上、本来予定していた効果検討項目のすべてを実施することはできなかった。今後は目的【2】と【3】の実施に向けて、研究実施校との調整、さらに研究協力者との検討を進めていく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
目的【1】では、介入行動意図における援助意図と傍観意図については効果が示されたが、介入意図および非介入意図については効果が示されなかった。これはPPRが社会的相互作用の促進を主たる目的としており、友人関係にはポジティブな影響があったと推察できるが、修復的対話を実現するためのスキル習得の要素は含まれていないことによると考えられる。よって目的【2】では、目的【1】の成果を活かしながら、子ども同士の修復的対話を実現する学級経営プログラムを、子どもの生活文脈に沿った形で検討することが求められる。さらにそれが介入行動意図だけでなく、援助行動や学校適応などの副次的な効果についても検討していきたい。加えてそのプログラムが、学校のカリキュラムにおいて実行可能であるボリュームであることも求められる。これらを実現することで、学級経営の方法の一つとして選択されうるプログラムを開発できると考えている。
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Causes of Carryover |
物品費の内、今年度使用しない物があった。次年度は計画通り購入する予定である。
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