2023 Fiscal Year Research-status Report
高大ギャップを解消し得る大学初年次における化学・生物学分野の教育方法の検証
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23K18954
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
甲斐 由理子 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20837463)
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Project Period (FY) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 高大接続 / 科学教育 / 理科教育 / 分子生物学 / 生化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等学校・大学間の学習内容の隔たり(高大ギャップ)を解消し得る教育方法の開発と検証を目的として実施している。初年度は、高校教育側へのアプローチとして、大学進学を見据えた分子生物学実験プロトコールの開発および授業実施、生徒への事後アンケート調査を行った。分子生物学実験の実施例としては、身近な試料を用いたDNAバーコーディングを導入し、試料中にどのような生物群が含まれているかをPCR法、電気泳動法により同定した。アンケート結果から、学習者(生徒)にとって本実験は教科書の既習内容への理解・関心を深めるものであったことが明らかになった。 また、並行して本学1年生(当時)に対して、高等学校・大学での学習に関するアンケート調査を実施した。現在、結果を集計・分析する段階にあり、本結果をふまえて高校・大学双方において効果的な実験法・教育法の開発に繋げたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一環として、東京都立高等学校において分子生物学実験のプロトコール開発および授業協力を行い、参加生徒に対して事後アンケート調査を実施した。本実践については、日本化学会春季年会にてポスター発表を行った。また、神奈川工科大学教職教育センター年報にて報告した。 これらの結果をふまえ、次年度はさらに発展的・教科横断的な教材開発および実践・検証を行うことを通して、高大間の学びのギャップ解消に繋がる教育法を展開したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本学1年生(当時)に依頼した、高等学校・大学での学習に関するアンケート調査結果をふまえ、大学教育側からの視点においても、今後必要となる実験法・教育法についての検証を進める。具体的には、アンケート結果をもとにいくつかの簡易実験プロトコールを設計し、大学生への実施および教育効果の検証を行う計画である。 また、高校教育へのアプローチとしては、昨年度までの成果をふまえ、より発展的・教科横断的な教育実践を導入することによって、大学進学後の学びへと円滑に接続し得る教育法の開発を進める。具体的には、分子生物学実験に対してICTを活用したプロトコールを開発し、生物学・化学に加えて情報科学分野を含んだ教科横断的・発展的教育を実践し、学習者(生徒)へのアンケート調査を通して教育効果の検証を行う計画である。
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